2010年 06月 13日
人のイメージ(2)
青蛙おのれもペンキ塗り立てか 芥川 龍之介
前回の記事の最後に紹介した句です。
筆者は、大学時代「俳句部」に所属して、句作に励んで?おりました?
自分の作品は、皆さんの鑑賞には堪えませんので、掲載をしたことがありません。
もっぱら、人様の作品を論うことにしています。(すんません
筆者は、龍之介の「青蛙」の句とめぐり合って、句作を始めました。
龍之介の写真といえば、決まって人を睨みつけるような、少しく狂気を含んだような怖い顔をしています。
その龍之介らしくない?、ユーモラスな小動物に対する愛情に満ちた作品に惹かれました。
龍之介の域には、とても及ばないまでも、どこか人を和ませるような句を作りたいと願ったものです。
まぁ、結果は惨憺たるものでしたが ・・・
芥川龍之介といえば、小説家として知られています。
この名を見て、少し驚かれた方もいらっしゃることでしょう。
人は、ある一定のイメージを持っています。
人がそう言うし、自分もそんなもんだと決め込んでいるところもあります。
また、人によっては、自分はこれ以外にはできないと、「特化」してしまう方もいます。
芥川龍之介については、本人よりも、他者の方が「小説家」のイメージを固めているように思います。
夏目漱石に、その才能を見出された芥川龍之介は、漱石の影響もあってか、句作もおおいに手がけています。
木がらしや東京の日のありどころ
水洟や鼻の先だけ暮れ残る
などの作品があります。
咳ひとつ赤子のしたる夜寒かな
赤子とは、遺子の芥川比呂志さんでしょうか、也寸志さんのことでしょうか。
普段、人には見せない優しい父親を、俳句の中で演じているようにも感じます。
by yamagoya333
| 2010-06-13 18:02
| 山小屋日誌