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人のイメージ(2)


       青蛙おのれもペンキ塗り立てか     芥川 龍之介


 前回の記事の最後に紹介した句です。

 筆者は、大学時代「俳句部」に所属して、句作に励んで?おりました?
 自分の作品は、皆さんの鑑賞には堪えませんので、掲載をしたことがありません。
 もっぱら、人様の作品をあげつらうことにしています。(すんません


 筆者は、龍之介の「青蛙」の句とめぐり合って、句作を始めました。
 
 龍之介の写真といえば、決まって人をにらみつけるような、少しく狂気を含んだような怖い顔をしています。
 その龍之介らしくない?、ユーモラスな小動物に対する愛情に満ちた作品にかれました。

 龍之介の域には、とても及ばないまでも、どこか人を和ませるような句を作りたいと願ったものです。
 まぁ、結果は惨憺さんたんたるものでしたが ・・・



人のイメージ(2)_e0017396_20342199.jpg



 芥川龍之介といえば、小説家として知られています。
 この名を見て、少し驚かれた方もいらっしゃることでしょう。

 人は、ある一定のイメージを持っています。
 人がそう言うし、自分もそんなもんだと決め込んでいるところもあります。

 また、人によっては、自分はこれ以外にはできないと、「特化」してしまう方もいます。

 芥川龍之介については、本人よりも、他者の方が「小説家」のイメージを固めているように思います。

 夏目漱石に、その才能を見出された芥川龍之介は、漱石の影響もあってか、句作もおおいに手がけています。

 
       木がらしや東京の日のありどころ 


       水洟みずばなや鼻の先だけ暮れ残る 


 などの作品があります。


       せきひとつ赤子のしたる夜寒かな


 赤子とは、遺子の芥川比呂志さんでしょうか、也寸志さんのことでしょうか。


 普段、人には見せない優しい父親を、俳句の中で演じているようにも感じます。

       
by yamagoya333 | 2010-06-13 18:02 | 山小屋日誌