大ちゃんからの手紙

 大ちゃんから手紙が届いた。

 とても嬉しかったぁ!

 5年前、ある病気がもとで、精神的にも病んでしまった青年「大ちゃん」と出会った。
 彼の母親から、どうしたらよいかと、相談を受けた。
 状況を聞く中で、どんな方策を講じればよいか、見当もつかなかった。

 暗中模索、手探りの状態から、大ちゃんと筆者との関係が始まった。

 採った方法は、共に歩くことだった。
 歩くことで、体力をつけ、彼の考えや不安を聞いてあげることができたらなと思った。

 ここをクリック ⇒「大ちゃんと歩く(1)」

 まず、お互いに信頼し合わなければならないと思った。
 それで、自分の「原風景」を見せることから始めた。
 交わす言葉も、お互いにほんの少しだけだった。

 あれこれと、場所を変えながら、大ちゃんの気に入る風景を探し回った。

 見つかった。

 ここをクリック ⇒「大ちゃんと歩く(2)」 
 ここをクリック ⇒「大ちゃんと歩く(3)」

 その後、大ちゃんは少しずつ回復していく。

 父親が経営する履物店に、午前中だけ手伝うことができるようになった。
 でも、それは、週に1・2回のことだ。
 店に出たあくる日は、必ず寝込んでしまう。

 大ちゃんは、諦めずに立ち上がった。
 立ち上がろうとした。

 その後は、回復と逆戻りの繰り返しだった。

 ここをクリック ⇒「大ちゃんと歩く(4)」

 少しずつ、寝込まないで済む日が、増えてきた。
 彼は、母親が経営する保育園に勤めることになった。
 勤められるようになった。

 フルタイムでは、長続きしないので、彼の体調に合わせるという形であった。
 大ちゃんは、元気になっていった。

 今年の四月、彼の母親と会った。
 母親から、大ちゃんの現状報告があった。

 大ちゃんが、保育園を退職して、望んでいた大学院に入学したこと。
 元気でいること。
 筆者に会いたがっていること。


 昨日、大ちゃの手紙が届いた。
 母親の教えてくれていたことが、したためてあった。

 大ちゃんに電話をかけた。
 別人のような、大ちゃんの声が、筆者の右耳に響き渡った。
 
 二人で食事をする約束をした。
 迎えに行くと、笑顔の大ちゃんが出てきた。
 涙がこぼれそうになった。

 この続きは、またいつか。


       秋空や高きは深き水の色     松根 東洋城

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by yamagoya333 | 2010-08-19 23:41 | 山小屋日誌