慈雨 厳雪

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 2月28日の夜、急に雪が降り出しました。

 見る見る間に、屋根が真っ白になり、かさが増していきます。
 目測で、20センチは降り積もったと思います。

 降りてくる雪は、水気を含んだ牡丹雪ぼたんゆきでした。
 明朝は、車を捨て、ゴム長靴を履いて、バスで出勤することを覚悟しました。


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 夜半になって、屋根から「ズルズル」、庭で「ドス~~ン」という大きな音で目が覚めました。
 2階の自室の窓を開けて、事態を確認しました。

 その後、雪は雨に変わり、屋根瓦の下を流れ、雪のかたまりを滑らせたのだと分かりました。
 観察している間にも、一群の雪が、音を立てて落ちていきます。

 翌朝、道路に積もっていた雪は、ほとんど解けてしまっていて、車の運転が可能な状態になっていました。


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 今回は、私を含めて人間は、事なきを得ました。

 しかし、山小屋周辺の植物にとっては、試練の雪であったようです。

 これまでの写真で、お分かりのように、竹の幹が裂け、木々が倒れいます。

 一気呵成に降り積もった雪の重さに耐えられず、多くの竹や木が被害に遭いました。
 こんなにひどい状態は、初めてのことです。

 いつもですと、雪を背負った竹は、ある程度たわむと、身震いをして、「バサッ」という音とともに、背筋をぴんと立て直すのです。
 そんな音が、竹林で連鎖的に木魂こだまするのです。
 竹の復活の音を聞くのが、雪が降った後の楽しみであります。

 今回は、そんな余裕がないほど集中的に竹の枝枝にからみついたのしょう。


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 季節は移ろい、今まさに春になろうとしています。

 しかし、その前に自然が課した「試練」とでもいうものなのでしょうか。
 「厳父」のような雪でした。

 その後、ほぼ毎日、春の芽吹きをいつくしむかのように、優しい雨がゆるりと舞い降りてきています。
 「慈母」のような雨です。


       春雪やいましがた降り今は止み     後藤 夜半


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by yamagoya333 | 2012-03-05 22:14 | 山小屋日誌