故郷を仕舞う (1)

 ご無沙汰しておりました。

 少しだけ、心身ともに、わずらっておりました。
 現在は、持ち直しております。

 すっかり怠け癖がついてしまい、更新しようとは思いつつ、これまでになっていました。

 これからは、できるだけ記事を書いていこうと思っています。
 どうぞ、見棄てることなく、これからもお付き合いください。



 先週、和歌山南紀勝浦で備長炭を焼いている「自給自足らず」さんから連絡が入りました。
 (彼は、筆者の高校の山岳部の後輩です)

 3月に亡くなられたお母様のマンションを始末するために、戻ってきたとのこと。
 これまで、何事かあると、八幡にもどってきていました。
 その折は、山小屋へ上がってきて、炭焼きのアドバイスをしてくれたり、共にお酒を飲んだりしていました。


 今回は、故郷を仕舞うための最後の帰郷です。
 こちらで、幌つきの軽トラックを仕立て、それに必要な道具を詰め込んで、フェリーで南紀へ向かいました。

 フェリーの港まで見送りに行ってきました。

 フェリーの出航まで、一時間ほどあるので、ゆっくり別れを惜しもうと考えておりました。
 手続きを終えて、「自給自足らず」さんが、事務所から出てきました。
 書類を車に収めに行った彼に、駐車場の係員が、フェリーに乗り込むようにと指示を出しました。


 突然の別れです。
 運転席から出された手をしっかりと握りました。

 「行ってらっしゃい」と、一言だけ。

 トラックが、フェリーの中へ吸い込まれていきました。

 そのことを確かめて、急いで自分の車に乗り込み、エンジンをかけました。
 ぱらり、ぱらりと、大きな雨粒が落ちてきました。

 フロントガラスに降りてきた雨粒を、拭わぬままで、しばらくの間運転していました。


 今後、ご両親の法事は、和歌山でするのだそうです。

 「じゃぁ、またな」が、不確実なものになってしまいました。


       これがまあつひのすみかか雪五尺     小林 一茶


e0017396_1411036.jpg

[PR]
by yamagoya333 | 2012-08-31 20:57 | 山小屋日誌