ただいま

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 ただいま、戻りました。
 また、たどたどしく、あれこれと書き綴っていこうと思っています。
 よろしければ、これからもお付き合いください。




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 この秋、がりがりに痩せたウリ坊が、山小屋の周りに姿をみせるようになりました。
 私の姿を補足しても、逃げることなく餌さがしに専念しています。
 「ブー ぶぅ~」と音をたてながら、鼻で土を掘り起こしています。
 しかし、うまく餌にありつけた様子が、うかがえません。
 今年の冬を越すことが出来るのかなと、案じておりました。

 小屋のテーブルで食事をしていると、近くまでウリ坊がやってきます。
 彼と目線が合ってしまいました。
 何か投げてあげようかなと思いました。
 でも、思いとどまりました。
 彼が、自らの力で、餌を確保することが、厳しい冬を乗り切るための必須条件だからです。


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 小春日和の午後、温かい日差しを浴びながら、昼寝を決め込んでいます。
 私の目の前でのことです。
 写真を撮っても、気にする様子はうかがえません。

 こうして、和やかな時間が、山小屋に流れておりました。


 ある日、「ケン・けん」と、ウリ坊が咳をしています。
 2・3日、雨が続いたので、風邪を引いたのかなと思っておりました。
 
 その夜、炭焼き小屋の入り口、土嚢袋(どのうぶくろ)を2~30枚置いてあるところに、ウリ坊がいます。何やら、ごそごそとやっています。位置が決まったのでしょうか。ごろりと横になりました。その瞬間、眠ってしまいました。

 私は、そっとその場所を離れました。

 翌朝、その炭小屋へいってみると、昨夜とは位置を変えて、ウリ坊が眠っています。
 「おや、おや、可愛らしいこと」と思い、写真撮影をしました。

 その日は、用事があり、すぐに小屋を下りました。
 そして、昼過ぎ再び、上がってみると、彼は、まだ寝ていました。しかも、同じ場所、同じ姿勢でです。
 彼の閉じたままの瞼の上には、蠅がとまっています。
 「おかしいぞ」と思って、ウリ坊に触れてみました。

 体温はなく、呼吸も止まっていました。


 自然の中で、野生動物が生き抜いていくことは、難しいことだと実感しました。
 
 ウリ坊を手にしたときは、「こんなにも軽いのか」と思ったことでした。
 彼を、ソーセージとともに紙の箱の中に入れて、山の中に置いてきました。
 あとは、キツネやカラス、タヌキたちが始末をしてくれることでしょう。


 短い付き合いでしたが、彼の姿を見ると、心が穏やかになり、本日の作業を頑張ろうという気持ちになれました。

 これから、また一人ぼっちの作業になります。



       山の宿瓜坊の鼻人恋ふる     二田 紀子


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by yamagoya333 | 2014-12-10 01:32 | 山小屋日誌