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 昨日、母が手術を受けた。
 早ければ、1時間、だいたい一時間半で手術は終わると告げられていた。
 
 2時間がたった。
 まだ出てこない。
 いろいろなところへ思いが飛んでしまう。
 長い、1分が。

 手術室のドアの上に大きな丸い時計がかけてある。
 何度見たことだろう。
 何分、見つめていただろうか。

 この時計は、多くの人から期待と不安の思いを込めて見つめ続けられたことだろう。

 コチコチという音はさせねども、時に秒針が駆け出したり、あるいは亀の歩みのごとくに分針が進まなかったりと、人の気持ちを一喜一憂させる時計だ。

 女の人は、長い苦痛にも耐えられる。
 お産のときがそうだ。
 男は、どんなに痛くても、短時間なら耐えられる。
 また、ここまでと予告されていれば、何とかなる。
 女たちは、平気で四方山話に興じている。

 3時間が経過した。
 「説明室」へ家族は入って来いとのアナウンス!
 「終わった」

 市立病院の病棟婦長の妹・看護大学3回生の姪・家内の3人が入っていった。
 私は、残った。(というよりも、入れなかった。怖くて)
 すぐに扉が開いて、家内が私を呼び寄せるのではないかと、どきどきだった。
 そんな気配はない。
 うまくいったのかなと、思い始める。

 数分して、ぞろぞろと出てきた。
 みんな、ニコニコしている。
 おっ、もしかしてと、手術の成功を確信した。

 患部の腫れが予想以上だったので、時間がかかったとのこと。
 妹が、摘出された部分を見て癌ではないと確信したそうだ。
 プロが見たので、間違いはないだろう。


 一昨日、母親が入った部屋は、女性だけの病棟。
 部屋では、着替えや準備でおおわらわ。
 おっさんが、うろうるすると変だ!!
 デイルームという名の待合室で、一人ぼんやりと待つ。

 昨日の手術の後も、同じこと、待合室に待機。
 ぎりぎりの時間まで居ただけで、仕事へ。
 男って、こんなとき、何にもできない!!

 夜遅くまで、付き添っていてくれた妹も、泊まる必要性を感じずに(泊まる予約をしていた)帰宅したとのこと。

 現在のところ、ことは順調に動いているようだ。
 このままいけば、一週間で退院できるそうだ。
 そうなってほしい!!


       春めきてものの果てなる空の色     飯田蛇笏
by yamagoya333 | 2006-03-10 01:24 | 山小屋日誌