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尊厳

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 「尊厳」 ‥とうとくおごそかで、おかしがたいこと
 「尊厳死」 ‥一個の人格としての尊厳を保って死を迎える、或いは迎えさせること。近代医学の延命技術などが、死に臨む人の人間性を無視しがちであることへの反省として、認識されるようになった。 岩波書店『広辞苑』

 人間らしく最期を迎えたい。
 意識しているか、いないかにかかわらず、我々はそう願っているはずだ。
 人間らしく、人間に生まれたのならば。

 我々人間だけでよいのだろうか。
 「らしく」最期を迎えることができなくても。
 その他は・・・

 写真は、以前の草刈作業の「草刈り器」によって、頭を削られた筍の「最期」だ。
 介錯は山小屋であった。
 何か哀れでならない。

 筍にも「尊厳」があってもよいのではないだろうか。
 おびただしい数の、頭なしの筍を掘りながら、涙がにじんできた。

 自分も人間らしく最期を迎えられるのだろうか。
 人間だけでいいのだろうか・・・

 とは言いながら、他の命をいただいて、人間としての命を永らえている。
 パラドックスの狭間でもがいている。
 溺れそうだ。


       竹の秋あひる汚れて飼はれけり     成瀬桜桃子

 * 竹の秋(春)‥他の植物とは異なって竹の葉は春に黄ばむので、春の季語として用いられる。
by yamagoya333 | 2006-05-01 00:53 | 山小屋日誌