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秋の色 Ⅱ


 昨日、山小屋でもう一つ作業をしてきました。
 むしろ、この作業に一日をつかったようなものです。
 そこで、問題です。
 次の写真は、何でしょう。

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 正解は「椿の実」です。
 「石榴・ざくろ」の実に似ていますね。

 中には、木についたまま実がはじけて、種を地上に落としているものもあります。
 「秋」に「春」の「実」を摘み取るのも一興ですね。
 椿の実は、親指大からテニスボールくらいの大きさです。
 まだ充分に水気を含んでいますから、籠に少し入れても「ウッ」とくるくらい重いです。 
 こんなにたくさん採れました。

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 「漢字牧場326」の出張です。
 「木へん」と季節を組み合わせた漢字があります。

 「椿・つばき」「榎・えのき」「柊・ひいらぎ」までは、ご存知ですね。
 では「楸」では、何と読むのでしょうか。
 正解は、「ひさぎ」です。

 「楸」は、別名「キササゲ」ともいいます。
 辞典には、この「キササゲ」で載っています。

 * キササゲ(木大角豆)とはノウゼンカズラ科の植物の一種。学名Catalpa ovata。中国原産とされるが日本各地に野生化している。落葉高木で花期は初夏~夏。果実は細長いさく果でササゲ(大角豆)に似るので木大角豆と呼ばれる。

 明治生まれの俳人で「加藤 楸邨・かとう しゅうそん」という人がいます。
 水原秋桜子の門下生で、人間や思想を取り扱い、中村草田男・石田破郷とともに、人間探求派とか難解派と呼ばれました。
 冷静な目で対象を見つめ、私たちが気づかない面を「ぎゅっ」と突きつけてきます。
 筆者は、楸邨の句が好きです。


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     鰯雲人に告ぐべきことならず         加藤 楸邨

     雉子の眸のかうかうとして売られけり    加藤 楸邨   

     鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる       加藤 楸邨

     朝の柿潮のごとく朱が満ち来         加藤 楸邨

     牧の牛濡れて春星満つるかな        加藤 楸邨


   * 鰯雲(いわしぐも) 雉子(きじ) 眸(め) 鮟鱇(あんこう)
by yamagoya333 | 2006-08-15 09:30 | 山小屋日誌