2006年 08月 15日
秋の色 Ⅱ
昨日、山小屋でもう一つ作業をしてきました。
むしろ、この作業に一日をつかったようなものです。
そこで、問題です。
次の写真は、何でしょう。
正解は「椿の実」です。
「石榴・ざくろ」の実に似ていますね。
中には、木についたまま実がはじけて、種を地上に落としているものもあります。
「秋」に「春」の「実」を摘み取るのも一興ですね。
椿の実は、親指大からテニスボールくらいの大きさです。
まだ充分に水気を含んでいますから、籠に少し入れても「ウッ」とくるくらい重いです。
こんなにたくさん採れました。
「漢字牧場326」の出張です。
「木へん」と季節を組み合わせた漢字があります。
「椿・つばき」「榎・えのき」「柊・ひいらぎ」までは、ご存知ですね。
では「楸」では、何と読むのでしょうか。
正解は、「ひさぎ」です。
「楸」は、別名「キササゲ」ともいいます。
辞典には、この「キササゲ」で載っています。
* キササゲ(木大角豆)とはノウゼンカズラ科の植物の一種。学名Catalpa ovata。中国原産とされるが日本各地に野生化している。落葉高木で花期は初夏~夏。果実は細長いさく果でササゲ(大角豆)に似るので木大角豆と呼ばれる。
明治生まれの俳人で「加藤 楸邨・かとう しゅうそん」という人がいます。
水原秋桜子の門下生で、人間や思想を取り扱い、中村草田男・石田破郷とともに、人間探求派とか難解派と呼ばれました。
冷静な目で対象を見つめ、私たちが気づかない面を「ぎゅっ」と突きつけてきます。
筆者は、楸邨の句が好きです。
鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤 楸邨
雉子の眸のかうかうとして売られけり 加藤 楸邨
鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる 加藤 楸邨
朝の柿潮のごとく朱が満ち来 加藤 楸邨
牧の牛濡れて春星満つるかな 加藤 楸邨
* 鰯雲(いわしぐも) 雉子(きじ) 眸(め) 鮟鱇(あんこう)
by yamagoya333
| 2006-08-15 09:30
| 山小屋日誌