2006年 11月 03日
人知らずして ・・・
不
レ
知
而
不
レ
慍
、
不
二
亦
君
子
一
乎
。
「人知らずして慍(うらみ)ず、また君子ならずや」 (『論語・学而』より)
* 自分のことを、人が認めてくれなくても、不平不満をいだかない人は、いかにも「君子」ですね。
突然、漢文から出発しまして、失礼いたしました。
本日は、福岡県糸島郡志摩町にある、「工房 ピアノギャラリー」というところに、お邪魔いたしました。
ピアノの調律師さんの工房です。
http://www3.ocn.ne.jp/~ohshiro/
プロのピアニストのコンサート用のピアノの調律を手がける実力派の調律師さんの工房です。
筆者は、「修理」が出来る人に憧れます。
すぐに道具を壊してしまいます。ここで、廃棄処分です。
でも、修理が出来る人の手にかかれば、あれよ・あれよという間に、元通りになっていきます。
感激します。自分では、決して元には戻らないと思うからです。
この工房には、壊れて悲鳴をあげているピアノ、何十年も放置されて少々すねているピアノ、末期の水をと頼まれるピアノ・・・・いろんな事情があって、この工房に、ピアノが集まってきます。
それらのピアノたちは、この工房で、見事に再生するのです。
* PIANO ・ ピアノ ・ ぴあの ・ 西洋琴
* 師匠の手により、燭台のついたピアノに生まれ変わりました。
* 長い時を経て、今よみがえるピアノ
師匠曰く、
私は、ピアニストのために、ピアノを調律します。
ピアニストによっては、何時までに調律をしてください。(しろ!
その時間になったら、調律の作業は完了していると、誤解している演奏家が多い。
ピアノには「魂・たましい」が宿っている。
私は、その魂と触れ合う、共感し合うまで、調整をします、したいのです。
あるピアニストは言います、「これで充分じゃないの。これ以上、どうするの」
(もうこれ以上、ピアノをいじらないでよ・・・
それでも、やります。
自分と、ピアノの魂が納得いくまでは。
迷惑だと言われることもあります。
「あっ、そう」と自分がした仕事を理解してくれない、演奏家もいます。
いいじゃない、わかってもらえなくても!
要は、自分です。
筆者は、この話をうかがった途端、孔子の「論語」の一節を思い出しました。
「人知らずして、慍(うらみ)ず、また君子ならずや」
人が理解してくれなくとも、自分の職責は果たすぞという、「気概・きがい」を感じました。
筆者の魂が撼(ふる)えました。
なんと謙虚で健気な態度でしょう。
えてして、自分jはこんなことをした、こんなことも出来るぞと、自分をひけらかしがちです。
「いいじゃないか、人が知らなくても・・・・」
心にたくさんのお土産を詰めていただいて、帰途につきました。
まこと、愉快な一日でございました。
いつか続編を!!
人の居る炭焼小屋を覗きけり 富安 風生
* 本日は、自宅の下にある、造り酒屋の清酒「天心」を求めて参りました。
今宵は、美味しい酒を心ゆくまで ・・・・
by yamagoya333
| 2006-11-03 21:56
| 山小屋日誌