人気ブログランキング | 話題のタグを見る

今年竹

今年竹_e0017396_4124038.jpg



 気持ちのよい「黄緑」です。
 清々しい気分になりますね。

 奥の深い緑と見較べてください。

 孟宗竹の筍は、4月に出てきます。

 5月の終わりから、6月にかけて、真竹(またけ)の筍が出てきます。
 その「若竹」の黄緑です。

 どこか、初々しさや可能背を感じてしまいます。


 筆者の仕事場で、保護者会を開きました。
 来春の高校入試についての話を聞いていただくためです。

 そこで、筆者の教え子と、20年ぶりに再会しました。
 今回は、保護者となって出席してくれました。

 受付で、顔を見た瞬間、彼女だとわかりました。
 中学時代の可愛らしい面影を残しながら、落ちついた母親の姿がそこにありました。

 一応、保護者と講師という立場で、挨拶を交わしたものの、すぐに「先生と教え子」の立場で、お互いに近況報告を。

 一気呵成に、20年前にタイムスリップです。
 美しく変容を遂げた彼女が、筆者の頭の中で、セーラー服を着た姿に戻ります。

 とてもよい生徒でした。
 彼女については、こんなエピソードがあります。

 当時、塾では、習熟度に合わせて、3つのクラスに分けていました。
 彼女は、塾に来た当初は、2番目のクラスでした。
 (どんなに成績のよい子でも、通常は、ここから始まります)

 数ヶ月が過ぎ、実力テストで、本来の実力を発揮して、一番上のクラスに入ることになりました。
 一番上のクラスは、一週間に授業が4日ありました。
 残りのクラスは、3日間でした。

 筆者が、そのことを彼女に伝えました。
 彼女は、即座に、そのクラスには入りたくないと、答えました。

 理由を尋ねてみると、こうでした。
 「そのクラスに入ると、授業の日数が増えて、月謝が上がるので、親に負担がかかるから」と。

 両親が、どんな思いで、彼女を塾に通わせてくれているか、よく理解していたようです。
 心根の優しい子だと、感心したことでした。
 もちろん、両親は、大丈夫だと請け合ってくださって、彼女はそのクラスへ。

 その後、彼女は、着実に成績を伸ばし、地域で一番の進学校を受験し、見事に合格しました。


 彼女の息子も、母親似にて、性格のよい子です。
 成績も、母親と同じような軌跡をたどっています。
 「孫」のようで、可愛いです。

 

       送り出す子のまゆそこに今年竹     長谷川 かな女



 *「若竹」(夏) … 夏に入り、生長した筍は、下方の節から順に皮を脱いでいく。それを「竹の皮脱ぐ」「竹の皮散る」などという。皮が落ちるとすがすがしい青さの若竹になる。「今年竹」ともいう。
by yamagoya333 | 2007-07-19 12:27 | 山小屋日誌