2008年 05月 09日
妹の丹精 巻の壱
時間が出来ると、土をいじっています。
家には花が絶えません。
妹のお陰です。
妹の丹精を、ご覧ください。
菫程小さき人に生まれたし 夏目 漱石
文豪・夏目漱石の俳句です。
漱石が俳句を作っていたなんてと、驚く方もいらっしゃることでしょう。
【通訳】 … うららかな春の大地に咲いているスミレは、小さくてちょっと目立たない。しかしよく見ると、そのかれんな姿はなんと美しいではないか。自分も、できればこのスミレのような人間に生まれてみたいものだ。 (楠本憲吉 解説)
<季語>菫(春)
漱石は、正岡子規と東大で出会い、俳句や漢詩を作ることで、親交がありました。
正岡子規は、日清戦争の従軍記者として清の金州に渡りましたが、病を得て帰国した際、松山中学いた漱石の所に立ち寄ります。(子規の紹介で、漱石は松山中学に赴任します)
子規は、約一ヶ月、松山(子規の故郷)の漱石の家に同居します。
それを機会に、漱石は俳句を熱心に作り始めます。
菫の俳句に戻りますが、筆者が学生時代にこの句に出会ったとき、思わず「ぷっ !」と、笑ってしまいました。
漱石にイメージからすれば、ちょいと可愛らしすぎると、感じました。
家庭人としての漱石は、厳格な父親であったようです。
しかし、その厳しさの裏返しを、このように表現したと思うと、ほほえましくもあります。
みなさんは、いかがお感じでしょうか。
by yamagoya333
| 2008-05-09 18:07
| 山小屋日誌