赤ずきん 参上

 本日、赤ずきんちゃんが、山小屋を訪問してくれました。
 お仲間二人と、九州旅行のついでに。

 赤ずきんちゃんは、高校の同級生です。
 当時、言葉を交わした経験がありませんでした。

 数年前の同窓会を機に、ネットを通じてお付き合いをさせていただいています。
 意識してお話をするのは、今回が初めてということになります。

 不思議ですね。
 同じ空間と時間を共有していたということで、話題には事欠きませんでした。
 うんじゅうねん前の事が、鮮やかに甦ってきます。

 掘りたての筍を中心に料理をしました。
 春の味を楽しんでいただこうというたくらみです。

 しかし、この日は生憎の「雨」!
 気温が上がらず、火を焚いても、震えるほどでした。
 楽しい一日が、あっという間に過ぎてしまいました。

 雨の山小屋を下りてゆく赤ずきんちゃん気をつけて!



       火がありて峠けぶたき春時雨はるしぐれ     北 登猛

 
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by yamagoya333 | 2008-03-31 23:18 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅨ

審査

 竹藪での作業は、一人でやる。
 無聊ぶりょうを慰めるために独り言をつぶやく。

 これから切り倒す竹に、お別れとお詫びの言葉。
 素直に倒れてくれた竹には、お礼を。
 手間を取らせる竹には、毒づいてやる。

 時として、気に入った歌を大声で。
 気持ちよく歌い終わった瞬間、、、

 「カァーーーン」と、乾いた音が、竹藪に響き渡る。
 竹が生長したり、乾燥して節が締まった時に出す音だ。

 いらぬお世話だっちゅぅぅぅのっ!!



       こちこちと留守の時計や竹の秋     野村 泊月


 *「竹の秋」(春) … 竹は四月ごろになると、葉が黄ばんでくる。それがほかの植物の秋の姿に似ているので、竹の秋とよぶ。「竹秋」は、陰暦三月の異名でもある。
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by yamagoya333 | 2008-03-30 11:58 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅧ

標本

 筍はどこから生えてくるか、ご存じだろうか。
 そうそう、竹の根からにょきと、出てくる。
 へその緒のような細長い部分で、筍と竹の根はつながっている。


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 竹の根ごと、掘り上げた。
 これが、「標本」だ。

 筍掘りの一番の悩ましいころが、この「へその緒」の向きなのだ。
 
 斜面の上部(表面・おもてめん)に、へその緒が繋がっていると、実に掘りやすい。
 へその緒のU字の曲がりが下を向いているのがGOOD!

 前回紹介した筍が、よい見本だ。


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 これだけの量の土を削れば、OKだ。
 写真の下の白い部分に、とどめのくわを入れれば、収穫完了。


 しかし、「逆子・さかご」だと、もう大変!!!!!!
 この条件だと、斜面の上をかなり深く掘らねばならない。
 背中(逆方向)から鍬を入れると、えんが切れずに、筍が途中から折れてしまうことも。
 時間と労力を費やしても、骨折り損になることも。

 しこうして、「あっ」とか「おぉーー」とか、小さな物語を刻みながら、竹林での筍掘りは続くのだ。



       春のに折り焚く柴のにとつづつ     松村 巨湫
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by yamagoya333 | 2008-03-30 10:39 | 山小屋日誌

免疫 なし

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 今朝、長男が東京へ発った。
 4月から、社会人になる。

 就職が決まってから、この日が来ることは、覚悟していた。
 これまで子供たちは、進学しても、就職しても、自宅から通ってくれた。
 お互いの時間が合わないで、何日も顔を見ないことが何度もあった。
 しかし、生活の基盤は、この家にあった。

 送りから戻って、息子の部屋へいった。
 今日からは、主がいなくなるその部屋には、春の温かい陽光が溜まっていた。

 何てことはない。
 そう思うしかない。



       吊革つりかわを持たず坐らず卒業す     守田 椰子夫


       
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by yamagoya333 | 2008-03-29 08:23 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅦ

問題

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 写真の中に、何かを発見できるだろうか。
 よく見てほしい。


 むむぅ・・・
 ヒント!

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 ざくざく、掘れば

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 昨年よりも、10日ほど遅い生育だ。
 でも、今年は「表年」豊作の年)だ。
 期待して、掘ることにしよう。

 すでに、右手の手首は、腱鞘炎けんしょうえん
 チェーンソーの使いすぎ。
 使うと作業がはかどるが、その反面、必ずマイナスがどこかに出てくる。

 これから、くわを地面に打ち付ける。
 これからの筍のシーズン、手首がもつか、少々不安ではある。



       筍めしまことに男の日なりけり     秋山 夏樹
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by yamagoya333 | 2008-03-23 20:49 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅥ

用心・用心

 竹を伐採すると、1本ずつその場で処理をする。
 枝のついている先の部分と、幹の部分と似切り分ける。
 さらに、穂先を3~4分割して、焚き火の中へ。

 大切なことは、長い幹をそのまましないことだ。
 面倒でも、「竹のベッド」まで引っ張っていって、重ね上げることにしている。
 安全を確保するためだ。

 竹の表面は、つるつるしている。
 竹の幹が、縦・横・斜めに重なり合った上を踏んでしまうと、大変なことになる。
 体重がかかると、それぞれの幹が右に左に滑りだす。
 足を取られて、バランスを失い、転倒することも。
 かなり、危険だ。

 本日は、古文を読んでみよう。

 信安といふものありけり。世の中に強盗はやりたりけるころ、もし家さがさるる事もぞあるとて、強盗をすべらかさむ料に、日暮るれば、家の外に小竹を多く散らし置きて、つとめてはとりひそめけり。ある夜、家近く、焼亡のありけるに、あわてまどひて出づとて、その小竹にすべりて、まろびにけり。腰を打ち折りて、年の寄りたれば、ゆゆしくわづらひて、日数経てぞからくしてよくなりにける。いたく支度の勝れたるも、身に引きかづくこそおかしけれ。
                    (橘成季たちばなのなりすえ 『古今著聞集こきんちょもんじゅう』より)

 * 料 … ために  つとめて… 早朝に  焼亡 … 火事  まろびにけり … 転んでしまった  身に引きかづく … 身にふりかかる


 要は、用心しすぎるのも、善し悪しということだ。
 「程々」が一番 !



       聖ヨハネ教会山火事を傍観す     七里 みさを
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by yamagoya333 | 2008-03-22 08:30 | 山小屋日誌

我が家のサクランボ

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 我が家の桜も、満開を過ぎてしまいました。
 この桜は、サクランボの桜です。
 開花が、一般のそれよりも早うございます。

 蜜の匂いがするのでしょうか、メジロが目白押しです。(あっ、すみませぇーーn


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 狩猟法の規制で、メジロは2羽までは、飼ってもいいそうです。
 ただし、県に届け出でをしなければなりません。
 メジロの面倒をみるのも、めんどうくさいですね。(あっ、またぁーー


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       見えかくれ居て花こぼす目白かな       富安 風生
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by yamagoya333 | 2008-03-21 21:36 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅤ

猫の恋

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 俳句の季語に「猫の恋」というがある。
 ご存じだろうか。

  *「猫の恋」(春) … 猫は寒中から早春にかけてが交尾期で、雌を追う雄猫が、赤子のような声を出してうろつきまわる。それを猫の恋とよび、「春の猫」「恋猫」「浮かれ猫」「孕猫・はらみねこ」などとも用いる。

 季語の解説の通りで、竹藪は、猫の鳴き声が錯綜さくそうしている。
 「わぁーー ぎゃぁーー」の繰り返しで、雌にびるような、甘い鳴き声である。

 さながら、竹藪は、「合コン」のよき会場である。
 ついでに、筆者のおやつや昼ご飯が、お目当ての「雌♀猫」に供せられているのがご愛敬!



       山国の闇すざましや猫の恋       原 石鼎
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by yamagoya333 | 2008-03-20 23:05 | 山小屋日誌

竹藪 オムニパス ⅩⅣ

竹上の君子

 竹藪の中で、竹を切り倒しては、焚き火の中にくべている。
 数本切ると、竹藪の様子に変化がみられる。
 明るくなってきたな、これで筍が掘りやすくなるぞと、ほくそ笑んだりもする。

 竹藪の変化には、敏感なつもりでいる。
 しかし、ここを見つめている沢山の 目・め・メ・眼 があることに気づいた。

 休憩の時間にと、用意していたお菓子がなくなっている。
 お弁当の時も。

 巡回中の「猫さん」の食味(職務)質問?を受け、没収されてしまったようだ。
 作業に夢中になっていると、わからないものだ。

 最近姿を見かけないジョウビタキも竹藪の変化を見つめていてくれた。

 革手袋が2足(手袋は1足・2足でいいのかな?)なくなった。
 竹藪の中に置き忘れたのかなと、探してみたが、無駄だった。

 タオルや小物を入れた「レジ袋」もなくなっている。
 どうなっているのかと、竹のベッドに座り込んで、コーヒーを飲んでいたら、竹藪の中をゆっくりと烏が飛んでいった。
 「犯人は、おまえだ!!」と、つい叫んでしまった。

 烏は、食べられそうだなと感じたら、取りえず、目標物をくわえて飛び上がる。
 そのうちに、これは食べられないと判断すると、口を開けて落下させてしまう。

 小屋の横の木を切り倒すために、大きな枝まで登ったときに、そのへこみに「石鹸」があるのを見つけたときは、びっくりした。
 烏の仕業だ。

 「梁上りょうじょうの君子」という言葉がある。
 泥棒のことをしゃれて言う言葉だ。

 烏の諸君には「竹上の君子」という称号を贈ろうか!



       子がらすや前のめりして枝を得し     島村 元

 *「鴉の子」(夏)

【梁上の君子】
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by yamagoya333 | 2008-03-20 11:27 | 山小屋日誌

長い一日が

 公立高校の合格発表があった。
 全員が、希望通りの結果にならなかった。

 一年間、自分たち指導する側が、どうやってきたのかを試される日でもある。
 「やるせない」気持ちでいっぱいになる。


 合格を果たした生徒から、喜びの電話が入る。
 教室に満面の笑みをたたえて、駆け上がってくる生徒も。
 
 その子のこれまでの努力する姿が彷彿ほうふつとしてくる。
 心から、おめでとうの言葉を贈る。

 電話が切れる。
 生徒が、階段を下りてゆく。

 その瞬間から、残念だった生徒のことが、重くのしかかってくる。
 後悔はない。
 ないが、悲しい。
 いい思いをしてほしかった。



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 こんな日こそ、親が試される。
 結果を受けて、どう振る舞うか、どんな言葉をかけてあげるか。
 あるいは、言葉をかけずにおくか。

 そして、本人は、日頃の父親からは想像できないくらいの優しさを発見するだろう。
 母親の自分に向ける眼差しが、いかに軟らかいかを。
 兄弟姉妹が、慰めを言葉に出来ないもどかしさを味わっているかを。

 親子のきずなを確かめ合う一日となる、なると信じている。


 深く暗い淵にも、一条の光が・・・・
 きっとここから・・・・


 全ての教え子の努力に敬意を表する。



       受験子を北にたせて父黙す     新井 こと
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by yamagoya333 | 2008-03-19 23:50 | 山小屋日誌