散りぬるを

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 見ていると、心の中まで「紅く」染まっていくようです。

 上品な感じのする紅梅です。
 しかも、自らの艶やかさを誇る様子のないところに奥ゆかしさがあります。


 しめやかに春の雨が降りてきました。

 紅い花びらが、雨の一粒を正直に受け止めます。
 
 既に、地に戻ってゆく時期が来ていたのでしょうか。
 紅い花びらが、一枚、ゆらりと、房を離れてゆきます。



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 雨の日と、晴れの日が、交代でやってきます。
 
 春の花たちが、競い合うようにつぼみを柔らかくしています。



       うすきうすきうす紅梅によりそひぬ     池内 友次郎
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by yamagoya333 | 2010-02-28 22:22 | 山小屋日誌

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 降りしきる雨の中での撮影です。

 櫻の木全体から「さくら色の気」が発しているように感じます。
 雨のせいで櫻の木、枝先、輪郭に、その「気」がうるんで漂っているように思えるのは、筆者だけでしょうか。

 櫻の木が、全身で花を咲かせる準備をしています。

 以前にも記事にしましたが、この時期になると、詩人「大岡 信」の『言葉の力』という作品を想い起こします。


 本日は、この文章を教材にして、生徒たちに、「語って」きました。
 どのくらいのウェイトがあってでしょうか。
 今日の一日だけでは、測ることができません。

 10年・20年後が、楽しみ???です!!

 
 人にも、自然に対しても、優しい言葉を使いたいですね。
 自分が使う その一語・一語が、己の内面をも表していることを意識しながら。


       葡萄ぶどう食ふ一語一語のごとくにて     中村 草田男

「言葉の力」  大岡 信
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by yamagoya333 | 2010-02-27 08:18 | 山小屋日誌

海鮮スパ

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 中学時代の友達 M崎君の家を訪ねました。

 海に臨む丘陵地に彼の家があります。


 経緯いきさつはこうです。

 これまでも何度か、山小屋を彼は訪問してくれていました。
 先日、筆者のほうから、連絡をとって山小屋へ来てもらいました。
 山小屋の増設や改造について、アドバイスをしてもらうためです。

 M崎君は、工務店を経営しています。
 筆者のわがままな申し出も、気持ちよく受けてくれました。
 その日は、ひどく冷え込んで、寒くてたまりませんでした。

 それにもかかわらず、あちこちと採寸して、手帳に数字を書き込みます。
 そして、筆者でもできる?(はずの)工法をアドバイスしてくれました。

 「簡単な図面を描いてあげるよ」と言い残して、M崎君は、山小屋を下りていきました。



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 昨日の朝、M崎君から図面ができたから、こちらへ来ると連絡がありました。
 彼の家から車で一時間以上かかります。
 雨の予報が出ていましたので、山仕事はできません。
 筆者の方が、そちらへ行くと返事をしました。

 しばらくして、電話が入り、「昼ごはんを食べずに来い」とのことでした。


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 近くの漁港に上がった「烏賊いか」を使って、海鮮スパを作ってくれました。

 M崎君は、元々はコックさんです。
 こんな料理が並びました。


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 パンは、奥様が焼いたものです。

 花は「フロル フリア」 のTさんにアレンジしてもらいました。
 初めてお会いする奥様のイメージにぴったりでした。


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 M崎君は、山小屋亭主以上に「山小屋」しています。
 冒頭の「まきストーブ」が、その一つです。
 また、写真のテーブルも、彼の手作りです。

 昨日は、あいにくの雨で、外からの撮影ができませんでした。
 とてもすばらしい所ですので、機会がありましたら、詳しく紹介します。

 M崎君、奥様、ご馳走さまでした。


       ストーブの口ほの赤し幸福に     松本 たかし
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by yamagoya333 | 2010-02-27 07:20 | 山小屋日誌

春の木 Ⅲ

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 櫻が咲きました。

 毎年、2月に花が開く種類です。
 このところ、初夏のような陽気が続き、満を持しての開花です。

 なんだか、生きていてよかったなぁ、今年も櫻と回り逢えて といった気分に浸ってしまいます。

 気分は、すっかり「春」です。


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 手前が、早咲きの櫻で、奥のピンクが梅です。

 春がてんこ盛りの風景でしょう。

 筆者の家の先隣にあります。

 春を探しに出かけたくなりますね。


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       けむりになる肉身さくらが少し咲き     穴井 太
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by yamagoya333 | 2010-02-26 09:53 | 山小屋日誌

師弟 de 薪割り

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 本日も、寒かったですね。

 みなさんは、いかがお過ごしですか。


 久しぶりのお休み。
 教え子の tateshima君が、作業の手伝いにやって来ました。

 
 本日は、まき割りをすることにしました。

 2月に入って、高校3年生は、卒業式まで授業がありません。
 tateshima君は、これまで、自宅でずっと絵を描いていたそうです。

 少々、なまり気味の体をもてあましているようです。


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 筋がよく、竹切り作業も順調です。

 切断した竹は、二つに割ります。
 tateshima君は、この作業がいたく気に入ったようです。

 よきの刃が急所に軽く当たっただけで、パリンと二つにはじけます。


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 なかなかこつを飲み込むことが出来ませんでしたが、作業が終わる頃には、この通り。
 見事な、斧さばきです。


 切り倒しておいた竹の一山が、薪になりました。
 これで、美味しい石窯パンが焼けます。


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       少年や春のかもめに置き去られ     中村 路子
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by yamagoya333 | 2010-02-19 19:00 | 山小屋日誌

春の 木 Ⅱ

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 春を呼び寄せる木、「梅」です。

 梅園には、辺り一面に甘い香りが淀んでいます。

 鼻孔を撫でながら、甘美なにおいが、流れ込んできます。
 思わず、目をつむり、もう一息、吸いこんでしまいます。
 嬉しい香りを、もっと味わうためです。


 頭の中も、体の内側も、うっとりとした感覚で包まれてしまいます。



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 寒い日が続いています。

 暖かい日を、迎えるための我慢です。
 きっと、そのうちに、春が ・・・



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 蕾の雫を、ご覧なさい。

 雫の中に、春の姿が潜んでいるでしょう。



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       今日果つるも悔いなき命梅咲けり     加賀 まり子
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by yamagoya333 | 2010-02-18 00:23 | 山小屋日誌

春の 木

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 うちの藪椿やぶつばきを見てください。

 山小屋の周りで、ひっそりと静かに咲いています。

 春です。
 春が、来ています。


 
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 でも、時々は、そのことを疑いたくなるような寒さがやって来ます。
 「三寒四温」、言い得て妙ですね。

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 山小屋の藪椿は、今が盛りです。
 やがて、地面には、紅色の絨毯じゅうたんが敷かれます。




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       日おもての花ははなやか藪椿     日野 草城
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by yamagoya333 | 2010-02-15 23:51 | 山小屋日誌

 本日は、バレンタインデー!
 皆さんは、チョコをもらいましたか。

 14日が、生憎、日曜日だったので、いつもよりは、数が少なかったかもしれませんね。


 

 実は、皿倉山は、椿の自生地なのです。(知ってましたぁ~?)

 山小屋の周りも、藪椿の群生地です。


 その皿倉山の8合目に、「椿園」があります。
 その中に、珍しい名前の椿がありました。


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 今日の日に合わせて、どんな花が咲いているのだろうと思って、見てみると ・・・



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 まだ硬いつぼみの状態でした。

 はてさて、どんな花が咲くことでしょう。
 

 案外、こんなチョコレートの実がなったりしてぇ~~~っ !!


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       バレンタインデー花瓶いくつも花満たし     村田 脩
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by yamagoya333 | 2010-02-14 21:44 | 山小屋日誌

練らし

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 炭焼きの最終工程を「練らし」といいます。

 窯の中で、炭材が燃え始めることを「自燃」というのは、前回お話ししました。
 自燃に入ると、水気を含んだ真っ白、或いは乳色の煙が、機関車の吐き出すそれのように勢いよく立ち昇ります。

 窯の中に入る空気の量を、徐々に少なくしていきます。
 焚き口に、耐火煉瓦を、一枚、そして一枚と積み重ねます。

 自燃から、4~5時間して、煙が落ちついてきたら、空気の供給を最小限に絞り込みます。


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 4段になりました。
 わずかのすき間しか空けていません。
 ちょっと見ると、「閉塞」しているかのようでしょう。

 この状態で、約二日半、煙を吐き出させます。

 次第に煙の白い色が、薄くなっていきます。
 そして、青い煙に変化してから、4~5時間くらいすると、煙突の根元が透き通ってきます。

 それを見極めたら、「練らし」に入ります。
 「練らし」とは、積み上げた煉瓦を全て取り外し、再び空気を窯の中に入れてやることです。

 大量の空気を繰り込み、窯の温度を一気に上げて、不純物を焼ききるのです。
 この作業は、およそ30分続きます。
 
 
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 焚き口を全開したら、中の炭材が焼けてしまうのではないかと思うでしょう。
 もちろん、いくらかは目減りしますが、この工程で炭の品質が上がります。
 目減りは、その代償です。


 そして、最後の作業です。
 焚き口に土を流し込んで閉塞し、煙突を抜いて、土をかぶせたら、作業は完了です。

 これから、窯の中で、炭材が蒸し焼きになり「竹炭」になります。
 火災を避けるべく、安全上、3日後に窯出しをします。

 よい炭が焼けていますように。


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       火がありて峠けぶたき春時雨はるしぐれ     北 登猛
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by yamagoya333 | 2010-02-14 21:14 | 山小屋日誌

いただぁ~き ます

 
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 本日、厭なこと、嬉しいこと、楽しいことを経験しました。


 あるハードウェアーの店に行きました。
 特殊な道具を探すためです。

 店内を3周しましたが、目的の物を見つけることが出来ませんでした。
 店員さんに声をかけました。

 その店員さんは、あちらこちらの売り場を探してくれました。
 結局、その店には置いていないということがわかりました。
 持ち場の関係なのでしょう、サービスカウンターへ行って、カタログを見せてもらってくださいとアドバイスを受けました。

 そのサービスカウンターへ赴きました。
 係の男性に事情を話しました。

 即座に「そんな物は扱っていない」と言われました。
 カタログを出して見てももらえませんでした。


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 カウンターを離れたときに、先ほどの親切なSさんが、やって来てくれました。
 いきさつを説明すると、「そんなはずはない」と言いながら、カタログをぺらぺらとめくってくれました。

 すぐに目当ての道具のページが出てきました。
 Sさんは、細かな点まで留意しながら、筆者のニーズに合ったものを選んでくれました。
 Sさんを信用して、メーカーから取り寄せてもらうことにしました。
 2~3日で届くそうです。
 Sさんは、将来きっと、人の上に立つ役職に就くものと確信しました。

 社員の教育は、企業の責任です。
 でも、最終的には、店員一人一人の「人間性」に依るところが大だと思います。
 入社試験では、見通せない要素です。

 そのことが、今日の経験で、実感できました。



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 そのあと、複合商業施設にあるフードコートに行き、コーヒーを飲んでいました。
 長いカウンターの一番奥に、一人の若い女性がトレイにラーメンをのせて、座りました。

 毛糸の白い帽子に、黒いセーター、可憐な感じのする女性です。
 きっと、親元を離れて暮らしている女子学生だと、筆者は見て取りましたが ・・・ (いかに?!)

 彼女以外は、だれも腰掛けてはいませんしたので、テーブル席の筆者からは、彼女の横顔がつぶさに見て取れます。


 彼女は、割り箸を両手の親指と人差し指の間にのせて、手を合わせ、筆者にも聞こえるくらいの声で「いただぁ~き ます」と言いながら、頭を下げるのです。

 椅子を蹴って、彼女の前に行き、拍手を送りたい衝動に駈られました。
 筆者の心が晴れ晴れとしました。

 彼女を育てた親御さんのしつけや愛情が、思い遣られます。
 彼女みたいな人がいるので、日本は、まだまだ大丈夫ですよね。

 そんなこんなで、楽しい一日でした。
 それを、みなさんにお伝えできて、筆者も幸せです。


       笑ふ山めぐらし梅に住める人     高浜 年尾


 *「山笑う」(春) … 春の山を擬人化した言葉。冬山を「山眠る」というの対し、草木の萌え立つ春山は、「山笑う」とよぶにふさわしい。「笑う山」とも表現する。
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by yamagoya333 | 2010-02-14 00:33 | 山小屋日誌