山小屋での生活を


by yamagoya333

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風の心で

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 夏が終わります。

 今年の夏は、「蕎麦・そば」の色に染まりました。

 時間があれば、山小屋へ上がり、蕎麦の種を蒔くための畑を作りました。

 その合間を縫って、蕎麦打ちの練習をするために「竹庵」まで通いました。
 いくら練習しても上手になりません。

 パンをねる癖が随所に現れて、師匠から何度も注意を受けます。
 パンの生地を作るときは、手の甲を使って、力を入れます。

 蕎麦を打つときは、力を入れないようにと、指導を受けています。

 現在、蕎麦とパンのはざまで掌と心が揺れ動いています。



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 海を見に行ってきました。

 磯の匂いのする風に吹かれてきました。
 唇を動かすと、少ししょっぱい味がします。

 快く通り過ぎてゆく風もあります。
 思わず足を踏ん張ってやり過ごす風もあります。
 身には感じないほどの穏やかな風を感じることもあります。


 中の息子を授かったとき、彼に贈ったのが「風のように」という言葉です。

 風には、形がありません。
 でも、その存在は確かに感じることができます。

 時として、迷惑であったり、お節介であったりすることもあると思います。
 それでも、「風の心」で、人と接していこうと思っています。


       いま秋を確かめて飛ぶ海の鳥     広瀬 直人


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by yamagoya333 | 2011-08-31 23:03 | 山小屋日誌

感謝

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 山小屋菜園?で収穫した野菜です。

 特にお世話をしたわけではありませんが、心が豊かになる収穫です。

 生き物のお世話は難しいものだと、これまで敬遠してきました。
 どういう心境の変化であるかは分かりませんが、今年は野菜の苗を買い求めました。

 植え方も、育て方も分からぬままに、土に定植しました。
 肥料は一切与えませんでした。

 山小屋のかまどから出てくる「木灰」だけを株の周りに置いておきました。

 できるだけ毎日山小屋へ上がって、水遣りをしました。
 直ぐに生えてくる「雑草」も取り除きました。

 雑草だなんて失礼ですよね。
 人間が勝手に邪魔者扱いにしているだけなのに。


 青胡椒あおごしょうも薄く輪切りにして、サラダに加えました。
 冷蔵庫で、よく冷やしていただきました。

 大地の味がしました。


       けた土にしづくたりつつトマト食ふ     篠原 鳳作

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by yamagoya333 | 2011-08-29 22:06 | 山小屋日誌

屋根

 二日前から、ボーイスカウトの子どもたちが、キャンプをしています。

 昨夜は、キャンプの華ともいえるキャンプファイヤー(営火)が行われました。

 夕食が終わると、各斑・各組で、キャンプの出し物であるソングや寸劇の練習を始めます。
 そのうちに、夕暮れが静かにキャンサイトを包み込んでいきます。
 わずかに残った空の青さを頼りに、営火場に向かいます。



 営火長が、代表の子どもたちに「火」を分け与えます。

 営火長の訓戒が始まりました。
 自然の中で、動物の一員として生きていけることに感謝せよ。
 「火」が、私たちに命を与え、守ってきてくれたことを、今一度確認し、ありがたいことだと思え。
 そして火を囲み、唄や踊りを大自然に捧げ、自分たちも楽しもう。


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 楽しい時間は、思った以上の速さで過ぎていきます。
 プログラムを三つ残したところで、激しい雨が降りてきました。

 指導者たちは、思案しましたが、続行することに決めました。
 ずぶ濡れで、キャンプファイヤーを終えました。

 子どもたちは、宿舎の屋根の下、フライシートの中に非難します。
 
 屋根があることが、どんなに有難いことかを彼らは知ったはずです。
 普段は、何でもないものとして振り向きもしない「屋根」の存在を意識したと思います。

 今回のキャンプができるのは、いろいろな形で知らない人たちのおかげだと気づく少年が何人かいてくれると信じています。

 そして、そんな少年が大人になって、今度は自分が ・・・と思ってくれたらいいなと期待しています。

 キャンプファイヤーに使われたたきぎは、山小屋から亭主が担ぎ下ろしたものです。
 その薪たちも、子どもたちのために役立ったのだと、喜んでいると思います。
 もちろん、山小屋亭主も ・・・

 (こんなことを書くと、千代女の朝顔の俳句の記事を思い出してしまいます)


       爆笑せしキャンプファイヤーの跡思ふ     町垣 鳴海 


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by yamagoya333 | 2011-08-21 08:28 | 山小屋日誌

身勝手な (4)

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 クヌギの木陰です。

 現在、この木の周りで作業をしています。
 畑の開墾、焼き畑の準備のためです。

 昼間は、30分耕して、10分休憩をとるといったペースです。
 2リットルのペットボトルの水が、一日でなくってしまいます。



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 木陰を利用して、森から引き出してきた倒木を短くしています。
 焼き畑に利用するためです。

 炎天下でやるよりは、ずっと効率的です。


 今年の冬から春にかけて、大規模な伐採作業をしました。
 本家の桜が、周りの木立に隠れて、全容を見ることができないからです。
 この桜の木は、山小屋亭主の見るところ、樹齢80年です。

 今年も咲いてくれるかなと、気をもみながら開花を待ちわびることが、何年も続いています。
 周りの木を切り倒すことで、日当たりをよくしてあげたいと思いました。

 それでも、本家の桜の景観を、このクヌギが遮ってしまうのです。

 それで、今年の桜のころは、このクヌギを次の冬に切り倒そうかと計画していました。


 こうして、涼しい木陰を提供してくれるクヌギの木を切り倒すのは可哀想だなと思うようになりました。
 切り倒してしまえば、しばらく木陰の恩恵に浴することはできません。

 まことに身勝手な考え方です。


       童女の掌に生涯を終へかにの秋     阿部 みどり女

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by yamagoya333 | 2011-08-15 22:05 | 山小屋日誌
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 蕎麦打ちの修業を始めて、10日が過ぎようとしています。
 その間、8回の蕎麦打ち?をしました。

 蕎麦打ち基本講座は、15回で終了です。
 現在、その半ばに差し掛かってきました。

 竹庵の師匠は寛容で、何度失敗をしても大目に見てくれます。
 ほぼ同時に入門したWさんと、切磋琢磨?で励ましあいながら、師匠に叱られています。
 そういう環境の中にいながら、弟子の方は一向に上達しません。
 Wさんは、一日の長があり、めきめきと力をつけています。


 表紙の写真は、山小屋亭主が打った蕎麦です。
 蕎麦の太さがばらばらで、茹でると、ぷつぷつと切れてしまいます。
 のど越しのよさ悪さの問題までいっていません。

 筆者は現在、蕎麦うちにおいて、大きな壁に直面しています。
 キーワードは、「力を抜く」ことです。

 蕎麦を打つ際、全ての工程で力を入れないようにします。
 その必要があるときは、最小限にとどめます。

 筆者は、肝要なところでパン生地をねる「癖」が出てしまうのです。
 パンの生地を作るときには、力を入れる必要があります。

 同じような作業に見える 蕎麦打ちとパン作りですが、力の入れ方においては、対極にあるといえるでしょう。

 考えるよりも「練習」を重ねることが大切です。
 いつかは、蕎麦打ちの「力」が使いこなせるように ・・・

 下の写真は、師匠の手による「蕎麦掻そばがき」です。
 トッピングは、麦の実を素揚げしたものです。
 練習が済むと、師匠が出してくれます。


       夏大根辛くて妻を一瞥いちべつす     皆川 白蛇

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by yamagoya333 | 2011-08-13 09:29 | 山小屋日誌

身勝手な (3)

        朝顔に釣瓶つるべ取られてもらひ水   加賀 千代


 江戸時代に活躍した 加賀の千代女の有名な俳句です。

 朝、井戸端に行ってみると、(水を汲み上げる)釣瓶のひもに、朝顔のつるが巻きついている。
 その蔓をむしり取って、水を汲むのもかわいそうだから、隣の家にもらい水をしに行ったことだ。

 千代女の優しい心遣いが、しみじみと感じられる一句です。


 明治時代に俳句や短歌の革新運動に力を尽くした正岡子規がいます。

 子規は、千代女の朝顔の句を徹底的にこき下ろしています。

 子規はこの句を、「人口じんこう膾炙かいしゃする句なれど俗気多くして俳句といふべからず」と厳しく言い切っています

  ※ 「人口に膾炙する」 … 人々に広く知れわたって賞賛されること

        「膾」は、生の肉を細かく切ったもの。「炙」は、あぶった肉。どちらも口当たりがよく、だれにでも賞賛される。

 子規は、、「釣瓶取られて」と朝顔を擬人化し、朝顔へのやさしさを詠むことで、千代女自身の心持ちを反映させているところを「趣向俗極まりて蛇足なり」と酷評しています。

 子規は、自己のやさしさ思わせぶりを俳句の中にこれ見よがしに表現することを嫌っているようです。


 
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 前置きがが長くなりました。

 上の写真は、山小屋のシンボルツリーのクヌギの木です。
 2年前に、切り倒されました。
 現在、ひこばえ(脇芽)が元気よく生い茂っています。




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 いつの間にか、水道の蛇口を覆い尽くしてしまいました。

 山小屋亭主は、千代女のように「もらい水」はしませんでした。

 ためらうことなく、伸びた枝をばっさ・ばっさと切り取ってしまいました。
 まったく身勝手というほかはありません。

 しかしながら、千代女の表わそうとした「優しさ」と、山小屋亭主の「身勝手」とのはざまにあって、私たち人間はあえいでいるのかもしれません。


       一点のいつわりもなく青田あり     山口 誓子

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by yamagoya333 | 2011-08-09 07:06 | 山小屋日誌

時が流れて ・・・

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 お盆明けに、ボーイスカウトの団キャンプがあります。
 二泊三日の予定です。
 写真は、狭義のボーイスカウト(主に中学生)が、野営をするところです。


 かく言う山小屋亭主にも、かわいらしい少年時代があったのです。
 少年山小屋亭主も、この地でテントを張りました。

 あれから40年以上もの月日が流れました。
 思い出の場所に立つと、少年時代の自分がふわりと抜け出てきて、野原を走り回るのです。

 ここにテントを張って、この森からたきぎを拾ってきて、ここにかまどを据えて、と ・・・
 すっかり眠っていた記憶が蘇ってきます。


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 ある団体の研修施設です。
 今回は、ここにお世話になります。

 狭義のボーイスカウトよりも下のクラスのスカウトたちは、テントに泊まることを禁じられています。
 テントを張る「野営」に対して、「舎営」という形で建物に寝泊りします。

 写真でお分かりでしょうか。
 建物は、方形をしていて、どこからも四角な中庭を見下ろすことができます。
 正面のエリアには8畳間が五部屋あり、全体では20をこす部屋があります。

 今回は、そのうちの5部屋をお借りすることになりました。
 施設は老朽化がすすみ、何年も使っていないということです。


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 本日は、その清掃にやってきました。

 最初は、ほこりだらけで、掃除機をかけたり、ほうきではくのが大変でした。
 およそ3時間かけて、清掃が完了しました。
 障子の下には、白いカビがびっしりとこびりついていました。
 汗だくになりながら、きれいにふきあげました。

 仕上げに、「バル3」をセットしてきました。

 子どものころは、誰かが自分たちのために準備をしてくれていたことなど気づかずに、参加した行事を楽しんでいました。

 今回キャンプに参加する子どもたちの一人でも、誰かのおかげということを知る機会があればいいなと思います。

 安全で楽しいキャンプになることを、心から望んでいます。


       キャンプ張る男言葉を投げ合ひて     岡本  眸

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by yamagoya333 | 2011-08-07 21:54 | 山小屋日誌

秋の隣 (4)

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 椿の実です。

 お盆のあとさきに、紅く色づきます。

 4月に花が終わり、しばらく椿のことを忘れていましたが、こうして実が成ると、その存在感を思い知らされます。

 9月に椿の実を集めて、種を収穫します。
 10年から20年以上の椿の木にならないと、実がつかないそうです。

 山小屋の周りは、たくさんの藪椿が自生しています。

 椿の葉の緑は、つやつやしていて、夏の太陽の光を跳ね返し、きらきらと輝いて綺麗ですよ。


       椿の実拾いためたる石の上     勝又 一透

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by yamagoya333 | 2011-08-06 22:11 | 山小屋日誌
 本日も、採銅所の「竹庵」まで、練習にいってきました。

 昨日、師匠からいただいた「蕎麦打ち 手順書」を何度も読み、「ねこ手」で、のし棒を回す練習をして、本日の修業に臨みました。

 
 さて、ばちに蕎麦粉を袋からあけて、水を注ぎました。
 師匠「これからは時間との勝負。一気呵成にいきましょう。」と、声がかかりました。

 やり始めると、頭の中の知識など一瞬にして吹っ飛んでしまいました。

 手順を間違えて、師匠からストップがかかりました。
 一度元に戻して、やり直しです。

 あたふた・あたふたしながら、二度目の蕎麦が打ちあがりました ??

 何だか、昨日よりも出来が悪く感じます。
 昨日は、師匠が横でお手本を見せてくれたうえに、肝心なところではアシストしてくれたので、まずまずのものができたのでしょう。

 本日の蕎麦は、自己責任です。
 とほほ・・・という感じです。

 でも、師匠は優しい方です。
 小さなよいところを、大きく褒めてくれます。
 それで、何とか持っている状態です。


 また来週から、練習に励みます。


       ことの前に人ゐずなりぬ若楓     高浜 虚子

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by yamagoya333 | 2011-08-04 19:17

入門

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 蕎麦打ちの練習をしてきました。

 何も予備知識のないままの実践です。

 今回だけ、師匠が横で同じ作業をしながら教えてくれました。
 要領を得ないときは、師匠の手さばきを見ながら、やってみます。
 しかし、手は思うように動きません。

 何とか打ち終わりました。
 表紙の写真は、筆者が蕎麦を切っているところです。
 師匠が撮影してくれました。

 客観的にみても、ぎこちない動作ですね。


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 昨日入門したWさんが、本日は一緒でした。
  
 やはり、一日の差は大きく、さっさと蕎麦を打っていきます。

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 Wさんんも、毎日のように「竹庵」に通う予定だそうです。
 さらに、6日の土曜日は、朝から詰めて、師匠のそば打ちを見学するそうです。
 やる気満々です。

 この日は、「竹庵」の営業日で、師匠は大量のそば粉を一度に打ち上げる予定です。
 強力なライバルが出現しました。


 切り終えた蕎麦を、師匠が捌いてくれます。
 記念の蕎麦は、我が家に持ち帰ることになりました。


 残りの蕎麦を師匠が手早く茹でてくれました。
 Wさんと、試食をしました。
 美味しかったです。

 しかし、麺の太さが、まだまだ不ぞろいです。
 これから、多くの経験を積もうと思っています。

 明日も、修業に行ってきます。

       灯の下に霧のたまるや夜泣蕎麦     太田 鴻村 

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by yamagoya333 | 2011-08-03 21:26 | 山小屋日誌