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言いえて妙

 土曜日の朝、くだんのデイビッドが、山小屋へ上がってきました。

 いつものように、竹林の整理を手伝ってくれました。
 竹の穂先を処分するのが、彼の得意分野です。

 豪快にしかも繊細に、火を操ってくれます。
 彼のおかげで、竹林は、綺麗になっていきます。

 休憩して、デイビッドが持参してくれた缶ビールを開けた時でした。
 空から、白い粉が舞い降りてきました。

 それが、雪であることを理解するのに、しばらくの時間を必要としました。

 「デイビッド、雪だよ。雪が降ってきたよ。」と、山小屋亭主。
 「おぉ~~ いっつ べりぃ こうるど」と、デイビッド。

 「こんな雪を、名残の雪ってぇ言うんだよ」
 「なごりゆき ?!」

 「春になっても、降る雪のことさぁ」
 「 ・・・・・・ じゃぁ、last の名残雪だね !!?」
 「 last かぁ ・・・・・・・・・ うぅ~~~~ん、そうかもね」


 翌日の日曜日も、デイビッドはやって来ました。
 作業が一段落して、ビール飲んでいました。
 時を見計らったかのごとく、粉雪がふわりふわりと落下してきました。

 「 ・・・・ デイブ、雪が降ってきたよ」
 「おぉ、last の最後の名残雪だね」と、デイブ !
 「そうだと思うよ」と、みっちゃん。

 ※ デイビッドは山小屋亭主のことを「みっちゃん」 
   山小屋亭主は、デビッドのことを「デイブ」(決して、デブではありません!! 念のため)

 次の月曜日の朝、またしても粉雪が乱舞しました。

 「last で最後で、終わりの雪」なのでしょうか ????????
 last だとか、終わりだとか言いながらも、曖昧な余白を残すところが、日本語の真骨頂だと思う山小屋亭主であります。


     「雪の果て」(春) … その春、最後の雪である。「雪の終」「雪の別れ」「別れの雪」「わすれ雪」「名残の雪」「終雪・しゅうせつ」などともいう。


       雪の果泣くだけ泣きし女帰す     大野 林火 


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by yamagoya333 | 2012-03-10 23:52 | 山小屋日誌

慈雨 厳雪

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 2月28日の夜、急に雪が降り出しました。

 見る見る間に、屋根が真っ白になり、かさが増していきます。
 目測で、20センチは降り積もったと思います。

 降りてくる雪は、水気を含んだ牡丹雪ぼたんゆきでした。
 明朝は、車を捨て、ゴム長靴を履いて、バスで出勤することを覚悟しました。


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 夜半になって、屋根から「ズルズル」、庭で「ドス~~ン」という大きな音で目が覚めました。
 2階の自室の窓を開けて、事態を確認しました。

 その後、雪は雨に変わり、屋根瓦の下を流れ、雪のかたまりを滑らせたのだと分かりました。
 観察している間にも、一群の雪が、音を立てて落ちていきます。

 翌朝、道路に積もっていた雪は、ほとんど解けてしまっていて、車の運転が可能な状態になっていました。


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 今回は、私を含めて人間は、事なきを得ました。

 しかし、山小屋周辺の植物にとっては、試練の雪であったようです。

 これまでの写真で、お分かりのように、竹の幹が裂け、木々が倒れいます。

 一気呵成に降り積もった雪の重さに耐えられず、多くの竹や木が被害に遭いました。
 こんなにひどい状態は、初めてのことです。

 いつもですと、雪を背負った竹は、ある程度たわむと、身震いをして、「バサッ」という音とともに、背筋をぴんと立て直すのです。
 そんな音が、竹林で連鎖的に木魂こだまするのです。
 竹の復活の音を聞くのが、雪が降った後の楽しみであります。

 今回は、そんな余裕がないほど集中的に竹の枝枝にからみついたのしょう。


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 季節は移ろい、今まさに春になろうとしています。

 しかし、その前に自然が課した「試練」とでもいうものなのでしょうか。
 「厳父」のような雪でした。

 その後、ほぼ毎日、春の芽吹きをいつくしむかのように、優しい雨がゆるりと舞い降りてきています。
 「慈母」のような雨です。


       春雪やいましがた降り今は止み     後藤 夜半


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by yamagoya333 | 2012-03-05 22:14 | 山小屋日誌

閑話休題

 本日、娘が、無事??高校を卒業しました。

 3年前、娘は、食物文化科という調理師の養成コースに入学しました。

 一般の課目は、40点以下が「欠点」になります。
 しかし、調理に関する専門科目は、60点以上を取らなければなりません。

 専門科目が欠点の場合、何時間もの補習授業を受け、何度も再テストをクリアする必要がありました。

 厳しくも、愛情溢れる先生方の指導により、保健所に申請すれば、「調理師」の免許が受けられることになりました。

 そうした、緊張感を強いられる環境の中で、クラスメイトと、励まし、慰めあいながら、卒業までこぎつけたことは、彼女のこれからの人生の励みとなることでしょう。

 緩やかな春日が降り注ぐ、思い出深い学び舎を、娘は、母親と父親と一緒にあとにしました。



       校塔に鳩多き日や卒業す     中村 草田男


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by yamagoya333 | 2012-03-03 23:23 | 山小屋日誌