南の山から(3) 廃材

 使用済みの材料は、穴が空いていたり、同じ太さの材でも長さが揃わなかったりします。
 Tさんは、それを承知の上で、1本・1本の柱や梁に切り込みを入れていきます。
 むしろ、この不自由さを楽しんでかのようです。

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 切り込みが終わると、立ち上がのるは、あっという間です。
 棟が上がりました。
 これから、屋根を張ります。
 この屋根材は、近くの方が倉庫を解体した時に手に入れたものです。
 鉄板の厚みがあり、長さが5メートルもあります。
 これを切りそろえて、屋根にします。

 見栄えよく仕上がりました、


       刻々と天日くらき泉かな     川端 茅舎


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# by yamagoya333 | 2017-07-10 06:38 | 山小屋日誌

 
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しばらく、ご無沙汰しておりましたので、2年前からの話を少しずつということで、お付き合いください。

 小屋を背にして左側に新しい小屋を造ることになりました。
 Tさんが設計施工を引き受けてくれました。

 必要以外のほとんどが、古材で建てる予定です。


 柱を立てるために穴を掘り、板で型枠を作り、セメントを流し込んで土台を埋め込みます。
 要領が悪い筆者の担当作業でした。

 この小屋は、「野外料理教室」を開いた際の「調理小屋」となる予定です。


       うち曇る空のいづこに星の恋     杉田 久女




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# by yamagoya333 | 2017-07-07 23:43 | 山小屋日誌

南の山から(1) 豪雨

 ご無沙汰しております。
 長い間、ばたばたとしておりました。

 九州は、豪雨に見舞われて、各地で深刻な被害が出ております。
 被災なさった方々に心よりお見舞い申し上げます。

 本日未明、北部九州は篠突く雨に襲われました。
 我が家の作業小屋は床下浸水と相成りました。
 流れてくる山水と我が家の排水施設との相克は、山水のほうに凱歌が上がりました。
 家下の道路が冠水して、車が通行できません。

 母親を病院に連れて行かねばなりませんでしたから、心配しておりました。
 午前7時くらいから、雨脚が衰えてきて、道路の水も引き始めました。
 何とか、送り迎えができました。


 これまで、北九州は、災害の少ないところだと信じておりました。
 昨年も、上記と同じような被害がありました。
 一昨年は、台風で屋根が飛んで、家の中に雨が降りました。
 これで、3年連続で、水の被害になります。
 「災害」を強く意識し始めました。

 同じ北九州に住んでいる複数の知り合いから「避難勧告」を受けました。
 ありがたいことですが、現在も自宅に居座っております。

 これ以上、被害のないことを願っております。


       ドアあいて出水の家に人見ゆる     江河 三昧
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# by yamagoya333 | 2017-07-07 22:42 | 山小屋日誌

撮土

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 4月いっぱいで、筍の出荷が終わりました。

 それからは、只管(ひたすら)草刈りに勤しんでおりました。
 最初に手掛けた場所は、すでに筆者の胸あたりまで雑草くんたちが、生長しております。
 
 未だに、すべてのエリアを刈り終わっておりません。
 現在九州地方は、梅雨の真っ盛りで、刈り残した連中が、ここよとばかりに騒めいています。
 
 草刈りが落ち着くまで、時間がかかりそうです。


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 昨年までは、管理を頼まれている隣のMさんの畑で、ハーブや野菜を栽培しておりました。
 今年は、そこを耕す時間がありませんでした。

 そこで、炭小屋の前を耕すことにしました。
 ご覧のとおり、狭いところです。

 タイトルにしました「撮土・さつど」が、これです。
 「撮土」とは、狭い土地、「猫の額」ほどの土地という意味です。

 「撮」は「つまむ」という意味で、ほんの「一つまみ」という意味です。


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 苗を植える準備ができました。

 こんな狭い土地でも、丁寧にやると時間がかかりますね。
 昔のお百姓さんの苦労が思いやられます。


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 夏は、青胡椒あおごしょう青紫蘇あおじそがかかせません。
 素麺をはじめ、麺類に使うと、格段においしくなります。

 パセリは料理にも使いますが、みじん切りにしてバターに練りこみ、「パセリバター」をつくります。
 これは、「エスカルゴ」の殻の中に塗り込み、オーブンで焼く料理に使われます。

 筆者は、石窯で「サザエ」を焼くときに使っています。

 フレッシュのパセリバターと乾燥させてパウダーにしたパセリで作ったそれとは、香りと味がそれぞれ異なります。

 バジルは、ペーストにしたり乾燥させてパウダーにします。
 石窯ピザには、ペーストをソースにしたり、ピザの上にパウダーをふりかけて、香りと色を演出させたりします。


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 これから、草ぬきの仕事が待っています。

 でも、これらの植物が仲間に加わってくれたことで、山小屋での生活に潤いが出てきます。


     紫蘇の香や朝のなみだのあともなし     藤田 湘子



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# by yamagoya333 | 2016-06-28 06:49

コスモスとダイアナ妃

 
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 山小屋のコスモスが、一輪咲きました。
 半分の花びらが反り返り、残りのそれが、くるりと巻いています。
 時期が少し早いように思いますが、コスモスなりの事情があってのことでしょう。

 
 日本漢字能力検定協会の講師育成セミナーに参加しました。
 8月31日、軽井沢での講座が終了しました。
 東京に戻る列車の出発時刻まで、辺りを散策しました。

 野辺には、コスモスが咲いていました。
 何日も滞在していながら、気づきませんでした。
 「早いな」というのが、感想でした。

 改めて思えば、かの地は、涼しい避暑地でした。
 秋の訪れも、九州に比べれば、格段に速いのも当然のことです。

 それでも、8月のピンクのコスモスは、印象的でした。

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 東京駅に降り立つと、「号外」が、配られていました。

 「ダイアナ妃 逝去」、刷りたてのインクの匂いがしました。
 紙面の中では、大写しのダイアナ妃がほほ笑んでいました。

 号外を握りしめて、記事を読みました。
 黒い活字を追ううちに、軽井沢のピンクのコスモスが浮かび上がってきました。


 波乱を乗り越えることのできなかったダイアナ妃が、不憫に思えました。
 妃が亡くなった暗いトンネルから、コスモスの「宇宙」が拡がっていくように感じました。

 その号外は、いまだに手元にあります。
 20年も前のことです。


       死とはただ居なくなること秋ざくら     不破 博
 


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# by yamagoya333 | 2016-06-27 20:24

筍事情

 昨年の筍は、大凶作でした。
 いわゆる、裏年です。

 筍の出る時期も遅く、終わるのも早くて、スーパーへの出荷は、薄氷を踏む思いでした。

 今年は、豊作でした。
 昨年の2倍以上の筍が出ました。
 しかし、4月の初旬から中旬かけて、一時に地面から、筍が顔を出しました。

 一回で200㌔を収穫できるエリアが5か所あります。
 5日周期で、掘っていくローテーションです。

 それが、どのエリアにも満杯で、次々と「竹」になっていくのです。
 タケノコですから、竹に変わっていくのは、理の当然のことです。

 1日の出荷量は、規定値があります。
 ほかにも、処分できないわけでもありませんが、筆者一人での作業ですので、どうしようもありません。


 そして、4月の終わりで、ぴたりと筍がでなくなりました。
 2週間ほど、早く終わってしまいました。

 忙しく、重労働であった割には、報われない思いもしました。
 現在、来年のために竹林の整理を行っています。
 縁遠い話ですが、何事も、ゆっくりで行きたいと思う次第であります。



       筍を発止と立てし大地かな     轡田 進




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# by yamagoya333 | 2016-05-13 20:46 | 山小屋日誌

戻りました

 ご無沙汰いたしておりました。
 元気です。
 戻ってまいりました。


 3月、筍を掘っておりました。
 竹林の中に、携帯電話の着信音がしました。
 聞くと、「看護学校の国語の先生に欠員ができたので、おまえ、ちょっと下りてこい」ということでした。
 もちろん、喜んでお断りしました。
 
 4月は、筍の出荷で、てんてこ舞いする時期です。
 時間的にかなり無理があります。

 意志の弱い筆者は、とうとう受けてしまいました。 (それなら、端から断るな)


 筍の出荷には、2泊3日の時間が必要です。
 一日目に、約200㎏の生の筍を掘ります。
 翌日、筍の皮をむき、ピーラーで成形します。
 200㎏が50㎏に目減りします。
 夕方、直径・高さが54㎝の寸胴鍋に入れて、焚き火を2時間30分すると、鍋が沸騰します。
 あっ、もちろん、燃料は「竹」です。
 一度、山小屋を下りて、食事と仮眠です。

 午前零時を目標に、山小屋へ上がります。
 鍋から、小児用のバスタブに取り上げて、4時間ほど冷却します。
 その間に袋詰めの準備をします。

 それまで闇が支配していた空が、うっすらと白味を帯びてきます。
 90ℓポリ袋に5㎏の茹で筍を詰め、さらに水を入れます。
 10袋出来上がると、車まで運びます。(この仕事が、一番つらくて、気を遣います。)

 自宅まで、車を下して、食事を済ませます。
 午前6時から、スーパーマーケット5店舗と青果会社への配達に出発です。
 片道2時間かかります。

 この作業が、週に2回のペースで4月いっぱい続きます。

 今年の筍の初出荷と看護学校の初授業の日が重なりました。
 半徹夜の状態で、重要な2件をこなさなくてはいけませんでした。
 かなり緊張しました。

 筍の配達は、無事に完了しました。

 さて、続きは次回ということで。
 久しぶりの投稿で、緊張しました。

 見捨てることなく、これからもお付き合いください。


       さくらんぼ一顆ふくみて夜の言葉     鷹羽 狩行
 


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# by yamagoya333 | 2016-05-10 21:04 | 山小屋日誌

竹の秋

 元気で過ごしております。

 筍の出荷に精を出しておりました。
 前回書きましたように、今年は裏年で、4月いっぱいで筍は終わってしまいました。

 その後、竹林には、無認可で育った無数の細い竹が伸びています。
 今刈り取らなければ、後々これらを処理するために夥しい時間を要することになります。
 今なら、少ない時間と努力で済ますことができます。
 一連の作業が、一段落しました。

 ちょっと一息ついているところです。

 気が付けば、鶯の鳴き声の中に、時鳥(ホトトギス)のそれが混じっています。
 森の緑も瑞瑞しく、野を渡る風は、若葉の香りをはらんでいます。

 今、山小屋の周りには、黄色くなった竹の葉が、盛んに舞い降りてきています。
 竹は、この時期に落葉するのです。
 木々のそれとは、季節が逆ですね。

 俳句の世界では、この時期を「竹の秋」といいます。
 筍の出産で、エネルギーを使い果たした竹たちが、しばらく休眠に入るのでしょうか。
 秋になると、竹林はつやつやとした緑に覆われます。
 これを「竹の春」といいます。

 意識しないままに、季節が少し移ろいだようです。


       つなぎあふ手のうたかたや竹の秋     鳥居 美智子

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# by yamagoya333 | 2015-05-12 21:18 | 山小屋日誌

裏年

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 昨年は、筍が豊作でした。
 一日では、掘りきれないこともありました。
 そして、多くの方の手を借りながら、何とか筍シーズンを乗り越えました。


 筍が豊作のあとは、凶作が待っています。
 いわゆる「裏年・うらどし」です。


 例年ですと、嗅覚のすぐれたイノシシが、人間には見つけることのできない地中にある筍をシーズンが始まる前に食べてしまうのです。
 そのため、竹林は、彼らの掘った跡が至る所に残り、「杯盤狼藉はいばんろうぜき」の状態になるのです。


 今年は、その形跡が、あまり見受けられませんでした。
 昨夜、中央卸売市場に20キロの筍を出荷してきました。
 昨年の3月20日は、60キロを出荷しています。


 ただ、手をこまぬいて見ていただけではありません。
 豊作が期待できないのであれば、耕作面積を拡張すればいいのではと思いつきました。
 それで、これまで管理の行き届かなかった竹林の整備をやりました。
 「広く、少なく」・・・どこかのスーパーの経営方針みたいですが ・・・


 毎年、毎月、そして毎日、自然は微妙な変化を遂げています。
 それは、自然界のバランスをとるためだと思っています。
 豊作・凶作もその調整の一つだと理解しています。
 毎年、豊作を期待するのは人間のおこがましさとしか言いようがありません。


 そんなこんなで、今年の筍シーズンも頑張ろうと思っています。

 山小屋も、ずいぶんと変化しております。
 時間がありましたら、上がってきてください。
 大歓迎です。


       時かけて初筍のひとり酒     石田 破郷
 



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# by yamagoya333 | 2015-04-01 07:08 | 山小屋日誌

元気です

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 元気でおります。

 野には、わらびが顔を出し始めました。

 いよいよ春です。

 小屋の周りは、「春」にシフトしました。

 この時期を迎えるために、長い冬に多くの準備をしてきました。

 これから、少しずつ紹介していきたいと思います。

 山小屋の環境は、これまでとは随分変化を遂げてきました。
 楽しみにしていてください。

 また、日々の暮らしをあれこれとつづっていきたいと思っています。
 どうぞ、お付き合いください。
 コメントをいただけると、励みになります。

 蕨のおいしい料理法を仕入れました。
 近日、大公開の予定です。



       月日過ぐ蕨も長けしこと思へば     山口 誓子



     
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# by yamagoya333 | 2015-03-27 21:28 | 山小屋日誌