山小屋での生活を


by yamagoya333

置かれた場所

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 大きな石が二つあります。

 彼らは(一応・複数)、この位置にずっと居続けています。

 しかし、長い時間の流れの中で、忍耐に忍耐を重ねた経歴があるのです。



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 大きな石は、もともと「一つ」だったのです。

 一つ石の下から、椿の芽が伸びてきました。
 二股の幹に挟まれて、え無く、身二つとなりました。

 それでも、(文句の一つも言わず)与えられた環境の中で、存在しています。
 いかがですか ・・・・


 もしも、人間である「私」ならば、嘆き悲しみ、不平不満を申告したことでしょう。
 見習うべきものは、自然の中にこそあるのです。

 そんな時こそ、自分が持ちあわせている少しの「幸せ」に気づくべきです。
 いつも己が周りの環境が「ベスト」であることを、望んでばかりいるから、それが判らないのです。



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 二股の「椿」にも、辛い歴史があるのです。

 時を同じくして、椿と接触する状況で、竹が生えてきました。
 お互いが、伸びていくために、触れ合う点において、互いが摩擦し合うのです。

 勿論、お互いの木肌・竹肌は、こすれて傷ついていきます。

 これからが、彼らの素晴らしいところです。
 「相克」の後は、「折り合い」をつけるのです。

 それぞれが、少しずつ離れていくのです。

 そして、彼らの「今」があります。

 頭が下がります。


       金剛こんごうの露ひとつぶや石の上     川端 茅舎


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# by yamagoya333 | 2013-11-14 22:51 | 山小屋日誌
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 山小屋亭主が、塾の先生だったころの「生徒」が3人、山小屋へ上がってきました。

 彼女たちが、中学校を卒業してから、ずっと会っていませんでした。

 ゆっくり話をするのは、30年ぶりということになります。

 「光陰矢のごとし」という言葉が、身にしみます。
 

 
 Aっ子は、いつも明るく、「鬼」先生を、上手にあしらってくれました。
 (あるいは、鼻息の荒い暴れ馬をいなしてくれていたのかも ・・・ )
 鬼先生が怒鳴ると、教室は、しぃ~~んとなってしまいます。
 そんな時、Aっ子が本領を発揮してくれます。

 先生の小さなミスに突っ込みを入れて、そのままけてしまうのです。
 他の生徒たちの口元がゆるみます。
 上目に、鬼の顔色を見ています。

 鬼先生も、苦笑いをしてしまうくらい上手なギャグでした。
 彼女のお陰で、なんとか、授業がやっていけたものと、感謝しています。

 
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 MONMONは、努力家でした。
 どんなに厳しい授業でも、べそをかきながらもついて来てくれました。
 その成果が、エリアで一番の高校合格という形で現れました。
 合格の報告をしにきてくれたときの爽やかな笑顔を、今でも懐かしく思い出します。


 B和は、天才肌の生徒でした。
 少し教えると、すぐに理解して応用まで行き着きました。
 抜き打ちでテストをしても、常に満点を取ることが出来る子でした。
 でも、人の見ていないところでは、努力を惜しまなかったのではと推察しております。



 食べることばかりが忙しくて、昔話は少ししか出来ませんでした。
 その続きは次回ということで、3人の素敵な「母親」たちは、山小屋をあとにしました。


 なぁ~~~~mmかぁ    幸せな山小屋亭主でした。



       水鳥に人とどまれば夕日あり     中村 汀女 


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# by yamagoya333 | 2013-11-12 22:53 | 山小屋日誌

身勝手 或いは 利便性

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 草が茫々ぼうぼうと生えています。

 人の背丈を超すほどの高さまで、伸びています。

 人間にとっては、見るからに鬱陶うっとうしく、邪魔なものとして映ってしまいます。
 「早く、草刈りをせねば」と、つい思ってしまうのが、人情というものです。

 草を刈ると、気分はすっきりするし、通行にも便利です。



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 草刈りをしてしまっては、見ることのできない瞬間です。

 山小屋のテーブルからの撮影です。

 「雉・きじ」が、活動しています。
 自分の位置を常に草の中に置いて、餌を探しています。
 身の危険がないか、辺りを見回すことを怠りません。


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 どうです、この鋭い目の配り方。
 
 自然の営みの中でこそ、野生の動植物が生きているのだと実感しました。


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 雉の胸元の青紫の羽の色が、素敵です。

 運転中に、車道に出てきた雉を何度か見たことがあります。
 でも、こんなにじっくりと観察をしたのは初めてのことです。

 これからも、多くの野生の動物と出会えたらいいなと思います。



       刻々と雉子歩むただ青の中     中村 草田男


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# by yamagoya333 | 2013-11-11 00:14 | 山小屋日誌

脆弱な

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 竹の筒を二つに割ったものを乾燥させるために、積み上げています。

 規則正しく積み重なっているように見えます。

 順調に推移している「人生」のようにも思えます。


 しかし ・・・





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 こんなに脆弱ぜいじゃくな(もろい)基盤の上に、私たちの人生は成り立っているように思えます。

 現在のところは、かろうじてバランスが取れているのですが ・・・

 でも、ほんの少しの力が、縦・横・斜めのいずれからか作用すると ・・・
 たちどころに、このバランスは崩れてしまいます。



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 人のえんも、またしかりです。

 自分が中心の考え方では、その縁は途絶えてしまいます。

 自分が、人から支えてもらっているということを、思い知るべきです。
 自分の成功は、人のお陰。
 自分の手柄は、周りの助けがあってこそ。

 これまで、何人もの人を踏み台にして、今の自分が存在します。
 自分こそ、喜んで他人の「黒子」になるべきなのです。
 


       葡萄ぶどう食ふ一語一語のごとくにて     中村 草田男

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# by yamagoya333 | 2013-11-01 00:21 | 山小屋日誌

Vitar (2)

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 Tさんが製作していた楽器「バイター」が、完成しました。

 こんなにも簡単に出来るのかと思うほどの早さでした。


 楽器を作ることができるなんて、素敵なことですね。
 
 音痴であるところの山小屋亭主には、立ち入ることのできない領域です。
 でも、ここでそういう場面を見学できるのは、幸せなことです。


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 チューニングが終わって、馴らしの演奏が始まりました。

 セットしている3本の「弦」は、チェロ・バイオリン・ギターのそれなんだそうです。
 どの弦が、いい音を出すのかを試しているそうです。
 摩訶まか不思議な音がします。

 Tさんって、素敵な人だなぁ~~ !!


       弾き出すバッハ露びっしりと女学校     楠本 憲吉


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# by yamagoya333 | 2013-10-28 21:08 | 山小屋日誌

幸せ ・ 食べること

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 Vitar (バイター)製作中のTさんと、足指指圧のI先生が、上がってきました。

 本日は、この二人が、昼食の準備をしてくれました。

 上の↑写真は、Tさんの作品です。
 「ねぎ豚」という料理なんだそうです。
 卵でコーティングしているところが、味噌・醤油です。

 少し濃い目の味付けでしたが、ご飯のお供に、グッドでした。


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 デイビッドが、朝早くから手伝いに来てくれました。

 竹林で、50本の竹を焼いてくれました。

 山小屋へ上がってくるメンバーの中で、デイビッドが一番上手に「焚火」ができます。
 山小屋亭主が、任せられる、唯一の達人です。

 午後から用事があるデイビッドのために、二人は沢山の料理を用意してくれました。

 さっさと食べ終えて、「くいにげ」と、しゃれた日本語をのたもうて、帰っていきました。


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 まだまだ、料理は続きます。

 楽しいおしゃべりと、おいしい料理、幸せの極致です。

 これからのやってみたいアイデアが、次から次に出てきます。
 気がつけば、夕暮れが迫っていました。

 山小屋で見つけた、初物の「椎茸」の料理で、締めです。

 再会を約して、二人は山小屋をあとにしました。


       大学生に買はれてかな塩鰯しおいわし     竹下 いづの女


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# by yamagoya333 | 2013-10-27 21:29 | 山小屋日誌

Vitar (バイター)

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 前の日曜日。ひょっこりと山小屋へTさんが上がってきました。

 「今から『楽器』を作るので、竹を分けて欲しい」とのリクエストです。

 竹林で作業中の筆者は、「好きなの選んで使ってくれ」と、お構いなしです。




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 昼ごはんのために、小屋へ上がってきました。
 Tさんは、熱心に製作しています。

 「何が出来るのか?」と、亭主。
 「バイオリンとギターの中間の楽器、バイター!?かな」と、Tさん。
 「ふぅ~~~n ・・・」




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 上の写真が、完成品なんだそうです。

 二人で昼食を済ませて、亭主は、本を読みながら昼寝です。(ほったらかし)
 

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 気持ちよく目覚めると、Tさんが頑張っています。

 どんな音が出るのかは、まだ聞いていません。
 ここで、「身内」だけの演奏会をするそうです。
 そうそう、とりあえず「身内」の「あなた」、その時は、参加してくださいよ。



       山彦や茂みに中のバッタンコ     相島 虚吼



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# by yamagoya333 | 2013-10-24 22:57 | 山小屋日誌

痛かったけれど ・・・

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 山椒さんしょうを、大中小合わせて100本ほど育てています。

 この苗は、竹林に自生していたものを掘り起こして、移植したものです。

 直ぐに草が生えてきます。
 先日、その草を抜いておりました。

 突然、右手人差し指に激痛が走りました。
 爪の奥にとげが刺さってしまいました。
 その場で抜き取ろうとしたのですが、かないませんでした。

 家に戻り、家内に毛抜きでトライしてもらいましたが、え無く断念。
 その日は、日曜日で、翌日は祝日で病院は空いていません。
 我慢できない痛みではないので、火曜日にてもらうことにしました。


 毎週火曜・金曜日は、母を整形外科に連れて行っています。
 その日は、私も受診しました。
 連休明けで、医院は大変混み合っていました。


 その医院の待合室は、受付カウンターに向かって2脚、その椅子に直角に横に3脚3列の椅子いすが配置されています。

 2列目のまん中の椅子に、綺麗なお嬢さん(23歳くらいと思われる?)が遠慮がちに座っています。
 ジーパンに茶色のブーツ、ベージュのサマーセーターに薄茶色の毛糸のブーケのようなものを羽織っています。
 長い黒髪は、根元でくくられていて、それぞれ右肩・左肩の上にふんわりとのっています。
 全体的にきっちりしているといった印象をもちました。

 Aさん(あとで、看護師さんの呼び出しで名前がわかりました)は、入り口のところをきょろきょろと見ています。少し落ち着かないように見えました。

 あるとき、腰の曲がったおばあさんが、介添えの方と入ってきました。
 Aさんは、即座に席を立ちました。
 さりげなく、席を譲ったのです。

 それから、彼女は入り口のところに長く立っていました。
 席が充分に空いたところで席に座ります。

 3人がけの端に座っていて、誰かが入り口から入ってくると、真ん中に移動します。
 また、混んでくると、席を立ちます。
 それを、何度も繰り返すのです。


 私はといえば、人差し指に麻酔をかけられて、山椒の棘を抜いてもらいました。
 麻酔の注射がとても、とても痛かったです。

 でも、こんなに素敵な女性を目の当たりにして、気分は爽快でした。

 彼女の謙虚な振る舞いを見ていると、ますます美人に見えました。
 


       庭めぐりしさしのべる手に山椒の実     木村 照子


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# by yamagoya333 | 2013-10-18 10:15 | 山小屋日誌

教え子つながり

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 昨日の「漢字講座」を受講した教え子たちが、近くの市民センターに勤めている別の教え子ATさんに連絡してくれたようです。

 ATさんから、本日電話がありました。
 他人行儀に、丁寧な言葉遣いで、「漢字講座」の依頼がありました。
 「章子かぁ~~~?!!」と、大きな声で尋ねますと。「えへへぇ~ ・・・」


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 まことに嬉しい限りです。

 これまで、自分が信じてやってきた事が、それほど間違いではなかったのだと思ってしまいました。
 少々、高慢ちきな態度であることは、百も承知です。




 来月、彼女たちのグループが、山小屋へやって来るとのことです。

 その日が、待ち遠しい限りです。



       入学の吾子人前に押し出だす     石川 桂郎


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# by yamagoya333 | 2013-10-17 22:47 | 山小屋日誌

セーラー服と機関銃

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 本日、若松のある市民センターで、「漢字講座」の講師を務めてきました。

 3月に職を辞してから、久々に人の前で話をすることになりました。
 この3月に講座の話を頂いて、少しずつ準備を進めてきました。


 本日、センターへ伺うと、塾での教え子(女性)が来てくれました。

 MMさんは、このセンターの職員さん。
 YMさんは、北九州市の職員で、市民センターの統括・支援が担当です。

 同級生の教え子たち数人に、連絡をとってくれていたようで、時間の都合のがついた二人が、「鬼先生」の授業を30年ぶりに受けてくれることになりました。


 最初は、一番後ろに座っていたYMさんに声をかけて、「当てないから」と宣言しますと、一番前の席に移動して、MMさんと二人並んで、聴いてくれました。



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 本日は、40名ほどの方が参加してくれました。
 勿論、全ての方に視線を配りながら、反応をみておりましが、ついつい二人に目が行ってしまいます。


 二人は、一生懸命にノートをとっています。
 ノートをとらないと、たちどころに「鬼先生」の大雷が落ちるからです。
 一気に、彼女たちの姿が、30年前にさかのぼります。

 大人の女性の服をまとっているのですが、私の視界の中で、紺色の「セーラー服」に戻っていくのです。

 それにつれて、私の語り口調も、当時のように「機関銃」のごとく早口になっていきます。
 最近は、ゆっくり話すことを心がけているのですが ・・・・

 でも、こういうシチュエーションでは、そうはいきません。
 すっかり若いころの「鬼先生」に戻ってしまいました。

 小盛況のうちに、講座は終わりました。


 その後しばらく、ロビーで二人と歓談し、再会を約束しました。
 彼女たちの学年の生徒は、私が中学一年から三年生まで、一貫して「英語」の授業と高校受験を受け持ちました。
 私にとって、初めての愛弟子です。
 塾の先生になって、右も左もわからず、がむしゃらに授業をしていた未熟な自分を思い出します。

 他の学年と差別するのではありませんが、忘れられない大切な生徒たちです。
 今でも、生徒の名前をそらんじることが出来ます?!


 楽しい・楽しい一日でした。


       熱き茶の置かれて受験前夜なり     山上 樹実雄
       

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# by yamagoya333 | 2013-10-15 19:58 | 山小屋日誌