2012年 12月 02日
評価は さまざま
生徒の一人が、4年制大学の推薦入試で合格しました。
試験内容は、小論文と面接です。
一年前の12月から、小論文の指導を始めました。
最初は、小学生の作文程度の内容で、先行きを心配しました。
残念ながら、本人の中には文章を作り出す材料が少ないことがわかりました。
そこで、作文の練習と並行して、プロの書いた短い文章(原稿用紙2~3枚)を、毎日書写させることにしました。
粘り強い性格のその生徒は、弛まず練習を続けました。
今年の5月くらいに、内容が「作文」から「論文」の域に入り始めました。
8月は、夏休みで、顔を合わせることが少ないので、メールと電話で指導しました。
9月からは、規定の90分の時間内で、及第できる程度の論文が書けるようになりました。
でも、まだ一つ問題が残っていました。
それは、面接での受け答えです。
彼女は、蚊の鳴くような小さな声しか出すことができませんでした。
そこで I先生の登場です。(筆者の卓球仲間)
この先生が、彼女の性格を素早く飲み込んで、緊張させないように応答の練習を繰り返してくれました。
例えば、指導する教室の一番後ろの席に彼女を座らせて、大きな声を出さないと応答ができないように設定しました。
また、練習の前には、とことんギャグを連発して、リラックスさせてから指導に入ります。
その結果、彼女は見事に合格証書を手にすることができました。
写真は、一年間、彼女が書き続けた原稿用紙の山です。
彼女の努力の形です。
将来は、臨床心理士になりたいそうです。
是非とも、夢をかなえてほしいものです。
その原稿用紙を、ある先生に見せたところ、「専門の勉強が手薄になっている」とおっしゃって、あまり評価をしていないようでした。
その先生の意見も、よく理解できます。
人の評価基準は、さまざまですね。
音もなく星の燃えゐる夜学かな 橋本 鶏二
by yamagoya333
| 2012-12-02 22:39
| 山小屋日誌