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竹藪 オムニパス ⅩⅧ

標本

 筍はどこから生えてくるか、ご存じだろうか。
 そうそう、竹の根からにょきと、出てくる。
 へその緒のような細長い部分で、筍と竹の根はつながっている。


竹藪 オムニパス ⅩⅧ_e0017396_10303832.jpg



 竹の根ごと、掘り上げた。
 これが、「標本」だ。

 筍掘りの一番の悩ましいころが、この「へその緒」の向きなのだ。
 
 斜面の上部(表面・おもてめん)に、へその緒が繋がっていると、実に掘りやすい。
 へその緒のU字の曲がりが下を向いているのがGOOD!

 前回紹介した筍が、よい見本だ。


竹藪 オムニパス ⅩⅧ_e0017396_1037112.jpg



 これだけの量の土を削れば、OKだ。
 写真の下の白い部分に、とどめのくわを入れれば、収穫完了。


 しかし、「逆子・さかご」だと、もう大変!!!!!!
 この条件だと、斜面の上をかなり深く掘らねばならない。
 背中(逆方向)から鍬を入れると、えんが切れずに、筍が途中から折れてしまうことも。
 時間と労力を費やしても、骨折り損になることも。

 しこうして、「あっ」とか「おぉーー」とか、小さな物語を刻みながら、竹林での筍掘りは続くのだ。



       春のに折り焚く柴のにとつづつ     松村 巨湫
by yamagoya333 | 2008-03-30 10:39 | 山小屋日誌